HUANG NI JIE

黄泥街

黄泥街

『黄泥街』残雪〈河出書房新社

ことばが世界を狂わせ崩壊させる。黄泥街に起こった目眩く奇怪な物語

うえ〜
題名の字面からして異臭が漂ってるんだけど、内容は完全に悪臭。
メタファーとか、そんなものはわからんよ。とにかく、ただただひたすら汚い、汚い。
ソローキン*1のスカトロ趣味があくまで“清潔”を知っての描写(っぽい)のに対して、こちらは汚泥しか知らないからそれが常態であって、生理的にもう耐え難い。
彼らの世界が、ゴミ・糞尿・悪臭でできた異世界ということに加えて、彼らのディスコミュニケーションぶりがまた神経に触る。黄泥街の住人は饒舌が過ぎるほどで、それだけならば理解出来ないことを喋ってるわけではないのに、彼らの会話はまるで咬み合っておらず、その歪んだ伝言ゲームが現実さえも歪ませていく。


それがおかしいと誰も告げない世界の異様さ。でもこれは、今の日本にも当てはまる普遍的なことなのなかぁ。
まぁ、とにかく気分悪くなるので、食事中以外ならオススメ。