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栄光の〈連邦〉宙兵隊 ミッション1異星使節団を守護せよ (ハヤカワ文庫 SF ハ 16-1)

栄光の〈連邦〉宙兵隊 ミッション1異星使節団を守護せよ (ハヤカワ文庫 SF ハ 16-1)

『栄光の〈連邦〉宙兵隊 ミッション1 異星使節団を守護せよ』タニア・ハフ〈ハヤカワSF1797〉
ミリタリSFはあんまり手に取らないんだけど、ファンタジー作家だと思ってたタニア・ハフだったので、ちょっと気になって着手。

多くの戦友を失ったハードな戦闘から生還した〈連邦〉宙兵隊のトリン・カー軍曹が新たに命じられたのは、〈連邦〉に加盟を検討中のシルスヴイス族への使節団を警護する儀仗兵という、戦闘とは無縁の任務だった。ようやく一息つける気楽な仕事だと、最初は思ったのだが……様々な異星種族で構成されたひとくせもふたくせもある兵士たちを統率し、怖るべき敵に敢然と立ち向かう熱血女性下士官の活躍を描いたミリタリイSF!

悪くないけど、かなり真面目なドンパチなんでイマイチ趣味に合わないなぁ。
戦闘本能をすでに失った種族の武器として、〈連邦〉に加入を許された地球などの種族、という設定はちょっとユニークだけど、主人公はあくまで現場と現状を把握し、可能な限り最善を尽くしていく兵士であり、宇宙に存在する謀略や駆け引きは彼女の仕事ではないので、大局的に何が起きているかはよくわからない(次巻以降出てくるのかもしれないけど)。彼女一人で状況が変わるはずもないし、変革できる地位に上り詰める様子もない。上位種族も変わらなそうで、SF的広がりが出てくるのか見えない。
あくまで戦場のプロフェッショナルとして読んで、ルイス・ゴセット・ジュニア*1好きとしては、主人公のスーパー軍曹ぶりを楽しめばいいのかもしれないけど、マイルズ*2のユーモア、ギアリー*3の萌えのようなほつれがないから、どうも主人公が面白くないんだよなぁ。冒頭の朝チュンくらい(笑)
あと、キャラクター表は付けて欲しかった。誰が何族なのかよくわからないんですが。