2011年4月号

S-Fマガジン 2011年 04月号 [雑誌]

S-Fマガジン 2011年 04月号 [雑誌]

大石まさるが表紙だったのね。一瞬気付かなかった。
今月の特集は、「ベストSF2010上位作家競作」


翻訳は3本。
・「神が手を叩くとき」……マイクル・F・フリン
海外篇1位『異星人の郷』*1作者の中篇
髪が開いたゲートを通って未知の惑星に降り立つ調査隊。
そこで観察された異星人は19世紀末程度の技術を持った平和そうな種族。
しかし、近隣にもう一つ知性体の住む惑星が存在し、そこからの侵略が始まり……
『異星人の郷』の逆バージョンといった趣。
あえて端折ってるのかもしれないけど、ちょっと説明不足の部分に不満。
まぁ、そこよりも、ある意味、『第9地区*2の逆的な感情の揺れ幅が描きたかったのかな。


・「セバスティアン・ミンゴランセの七つの人生(のようなもの)」……フェリクス・J・パルマ
海外篇2位『時の地図』*3作者の短篇
ミンゴランセは、右と左の売店、どちらに行くのか。
その選択により、彼の人生は分岐していく。
SFというより、奇妙な味に近くて好み。
分岐した主人公が、同じ部屋にいるという絵面は、ミッシェル・ゴンドリーの映像が目に浮かぶ。


・「ヒロシマをめざしてのそのそと(中篇)」……ジェイムズ・モロー
日本の戦意喪失を狙った極秘作戦は順調に進んでいた。
しかし、怪獣姿で彼女と一緒にビーチに行ったところ……
怪獣ラブシーンはバカでいいなぁ(笑)
この展開が、はたしてこちらの歴史につながるのか、後編が楽しみ。


大森望の新SF観光局」は、日本SF英訳事情


堺三保アメリカン・ゴシップ」は、今年公開予定のSF映画
スカイライン−征服−」と「世界侵略:ロサンザルス決戦」て別物だったのね。


「デッド・フューチャーReMix」は、お休み


「SF挿絵画家の系譜」は、渡辺正美。


「サイバーカルチャートレンド」は、数式をWebで見る。


「サはサイエンスのサ」は、知性ってなんだろう(その5)
ボノボの行動?


「センス・オブ・リアリティ」は、
金子隆一は、マックスウェルの悪魔を操る?。
香山リカは、チェンジと欝


「乱視読者の小説千一夜」は
アイリス・オーウェン


「黄昏の薄明かりの向こうへ」最終回
往きて帰りし物語。
確かに『指輪物語』の指摘はなるほど。
楽しみだった連載なので、また新たなテーマで是非。


「現代SF作家論シリーズ」
第3回は、小畑拓哉によるロバート・A・ハインライン
ハインライン論より、ロボット論の印象が強かった。


「MAGAZINE REVIEW」は〈インターゾーン〉誌
"Love and War"ティム・リーズ
"The Shoe Factory"マシュー・クック
"Peacemaker,Peacemaker, Little Bo Peep"ジェイスン・サンフォード
"Memoria"ジェイスン・サンフォード
が面白そうだった。


来月は、チャールズ・ストロスコリイ・ドクトロウ特集