THE RAW SHARK TEXTS
- 作者: スティーヴン・ホール,池田 真紀子
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2010/12/25
- メディア: 単行本
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エリック・サンダーソンは目を覚ました。だが自分が何者で、どこにいるのか、まったく思い出すことができない。失われた記憶の手がかりは、今は亡き恋人クリオとの日々を綴った日記だけ。真実を知るというドクター・フィドーラスを探すべく、エリックは気むずかしい愛猫イアンとともに出発する――
ひとことで言うと、アスキーアートと死闘を繰り広げる物語。
もう少し詳しく書くと、コミュニケーションや概念の海に生息する巨大鮫に記憶を食べられてしまった男が、鮫を倒すための旅を続ける物語。
う〜ん、よくわからないなぁ(笑)
サイバーパンク、スチームパンク、コンセプト(概念)パンク、といったところか。映画化が進んでいるそうだけど、これは小説ならでは。だからこそ、もっとタイポグラフィとかレイアウトで遊んで欲しかった。ペラペラ漫画はよかったけどね。
何度も記憶喪失になっている主人公が、最初の自分からの手紙に従って行動を起こすという構成なので、最後まで彼の語りも安否も信用できない。まぁ、騙りとしては弱いけど。また、敵キャラと最終目的が途中から増えるんだけど、説明過多でも欲求不満にもならず、ラストは個人的には悪くない処理の仕方だと思う。あまりクローズアップされないんだけど、世界を賭けた戦いでもあり、そういう意味ではセカイ系でもあるのかな?
説明でもよくわからないと思うけど、このキッチュさは『バッドモンキーズ』*1に通ずるものがあるので、それでピンと来た方は是非。
あと、猫がかなり魅力的に書かれてます。