2011年2月号

ミステリマガジン 2011年 02月号 [雑誌]

ミステリマガジン 2011年 02月号 [雑誌]

今月の特集は「PLAYBOYが輝いていた頃」


翻訳は、エッセイ含めて4本。
「これは本心からいうんだぞ」……レイ・ラッセル 
大物プロデューサーから脚本お仕事を依頼された作家。
それは、口にするのもはばかられるような、発禁処分になったポルノ小説の映画化だった。
金が必要な作家は、ずるずると仕事を引き伸ばしていくが……
レイ・ラッセルは古いホラーの印象が強かったんだけど、これはコメディタッチでなかなか楽しめた。
でも、既訳の中にも映画業界ネタの短篇がけっこうあるんだよね。
副読本としてテリー・サザーンも読んどきゃよかったかな。


「Cで失神」……ジーン・シェパード 
アルファベット順で後ろの方になっている生徒たち。
授業が聞こえないため、彼らは当てられないように様々な技を編み出していた。
高校に進学し、今度こそ前の席でしっかり勉強しようと決意するが……
『狼の一族』*1所収の超ベイブレード小説「スカット・ファーカスと魔性のマライア」が印象深いジーン・シェパードの邦訳2作目。
「スカット・ファーカス〜」だけでなく、やはり最高に楽しい。
身に覚えのあるマジックリアリズムとでも言うのかなぁ、ノスタルジックで、愛らしいバカバカしさ。
他の作品も読みたいなぁ。


「お望みどおりに」……ジョン・コリア 
殺されたいと思う男を主人公にした小説の話をしている二人の青年。
そのうち、以前かかった精神科医の話になり、次に気に入らない音楽家のことになり……
はっきりとは言わないけど、すとんと見事に着地するのは、やはりコリア。


「ホラー映画の恐怖」……チャールズ・ボーモント 
1958年当時の、ホラーブームについてのエッセイ。
当時の雰囲気も感じられると同時に、現代にも通ずる内容。
いつの時代も「昔はよかった」だなぁ(笑)


アトウッドのインタヴューもあるので、『オリクスとクレイク』*2用に読んどいてもいいかも。