布谷鳥叫的那一瞬間

カッコウが鳴くあの一瞬

カッコウが鳴くあの一瞬

カッコウが鳴くあの一瞬』残雪〈河出書房新社
レアなガイブンは、買っちゃおうか、でも買った次の日に復刊決まったらどうしよう、とジレンマに陥る日々。
でも、最近はSF絡みじゃなければ、借りちゃおうかなぁ、という境地にやっと辿り着く。
どうせ、仲間の誰かが持ってるし(笑)
残雪は何冊か出てるんだけど、ほとんど絶版なんだよなぁ。

 収録作品
・「阿梅、ある太陽の日の愁い」阿梅在一個太陽天的愁思
・「霧」霧
・「雄牛」公牛
・「カッコウが鳴くあの一瞬」布谷鳥叫的那一瞬間
・「曠野の中」曠野里
・「刺繍靴および袁四ばあさんの煩悩」繍花鞋袁四老娘的煩悩
・「天国の対話」天堂里的対話
・「素性の知れないふたり」両個身世不明的人
・「毒蛇を飼う者」飼養毒蛇者

山水画のような景色とおぼろげな物語。しかし、その基礎部分にあるのは超ド田舎。
莫言の作品もそうなんだけど、グロテスクというか、近寄るのも躊躇うほど、もう汚らしい。もやしっ子でゴメンね。
意図してるんだろうけど、登場人物も頭のいい悪いではなく、意思疎通が出来ないレベル。それによって引き起こされる行動、反復。
そこから醸しだされるのが、物語そのものは異様なんだけど、マジックリアリズムとはまた質感の異なったリアリズム。日本人にとっては、中国の田舎ならあるかも? と思っちゃうんだよね。むしろシュールレアリズムに近いのかな。
お気に入りは、「阿梅、ある太陽の日の愁い」「霧」「刺繍靴および袁四ばあさんの煩悩」「毒蛇を飼う者」あたり。