ゾラン・ジフコヴィッチの不思議な物語

ゾラン・ジフコヴィッチの不思議な物語 (Zoran Zivkovic's Impossible Stories)

ゾラン・ジフコヴィッチの不思議な物語 (Zoran Zivkovic's Impossible Stories)

  • 作者: ゾラン・ジフコヴィッチ,巽 孝之,Zoran Zivkovic,山田 順子
  • 出版社/メーカー: Kurodahan Press
  • 発売日: 2010/10/15
  • メディア: ペーパーバック
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『ゾラン・ジフコヴィッチの不思議な物語』ゾラン・ジフコヴィッチ〈黒田藩プレス〉
ユーゴスラビア作家の短篇集。


収録作品
・「ティーショップ」The Teashop
 電車の待ち時間に入った駅前のティーショップで謎の「物語でできたお茶」を注文した女。
 すると、ウェイターが物語を話し始める。
 魅力的な物語が終わると、次にレジ係が始め……
 これは、ホラー? ファンタジー? 
 次々に語られる物語は魅力的で、カフェが舞台ということでファンタジックな空気が漂ってるんだけど、ラストは怖いよなぁ。
 ホラーだよね?


・「火事」The Fire
 ある日、砂漠の丘の上に建つ古代の大図書館が火事にみまわれるな夢を見た司書の女。
 翌朝、出勤すると、パソコンのスクリーンに夢とそっくりの光景が現れ……
 悪夢といえば悪夢なんだけど、個人的にはイマイチ。


・「換気口」Hole in the Wall
 未来が見えると主張し、隔離病棟に入院している少女。
 担当医は、どうやって未来が見えるのか尋ねるが、とても信じられない。
 彼女はその重責で自殺を図るが……
 これまたSFともサイコとも取れる奇妙な話。
 量子力学の二重スリットと精神病院の鉄格子をかけてるのかな。


3編で800円はちょっと割高かもしれないけど、変な話好きにはオススメ。『The Library』も訳してほしいなぁ。
先日の『ブルガーコフ作品集』(こちらはAmazonで買えるようになったけど*1)に続いて、これまた流通が狭い作品。もしかしたら、こういう販売方法の本て結構あるのかなぁ? アンテナ更に広げないとね。