Hunter's Run

ハンターズ・ラン (ハヤカワ文庫SF)

ハンターズ・ラン (ハヤカワ文庫SF)

『ハンターズ・ラン』ジョージ・R・R・マーティンガードナー・ドゾワ、ダニエル・エイブラハム〈ハヤカワSF1761〉

辺境の植民星サン・パウロで、探鉱師ラモンは、酒のうえの喧嘩でエウロパ大使を殺してしまった。大陸北部の人跡未踏の山間に逃げこんだものの、ラモンは謎の異種属と遭遇し、つかまってしまう。しかも、異種属のもとから脱走した人間を捕らえる手先になれと命令された。異種属の一体、マネックに "つなぎひも" でつながれ、猟犬の役をはたすことになったラモンの運命は……? 人気作家三人による、スリリングな冒険SF

3人共作で、冒険SFはどんなものかと思ってたけど、普通に楽しめた。
ちなみに共作に至ったあらましも面白い。つなぎひもはマーティンっぽい描写だよなぁ。
ファーストコンタクトものであり、マンハントものであり、バディものであり、星間帝国サバイバル、アイデンティティ、恋愛、ホワイダニット、と要素が詰め込まれているのもかかわらず、消化不良をおこしていないのは、まとめたエイブラハムの技量か?
輪郭はマンハントなんだけど、メインテーマはアイデンティティ探求であり、SFならではの多面的なアプローチはかなりうまく行っていると思う。最初のイメージからは予想もしていなかったちょっとコンゲーム的なラストもいい。
シリーズものと、ミリが多い中、オススメの一作。