KRIK-ROBOT, DETECTIVE-A-MOTEUR

機械探偵クリク・ロボット〔ハヤカワ・ミステリ1837〕 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

機械探偵クリク・ロボット〔ハヤカワ・ミステリ1837〕 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

『機械探偵クリク・ロボット』カミ〈HPB1837〉

四角い頭に鋼鉄の身体、チェックのスーツを着こなし、頭には小粋なチロリアン・ハット……古代ギリシャの偉大なる発明家の直系の子孫、ジュール・アルキメデス博士の発明になるクリク・ロボットをご覧ください。事件が起こるや、計算機としての能力を最大限に発揮し、正確無比な方程式を立て、代数学的に謎を解くのです。その冷徹な推理力の前に、解けない謎などこの地球上には存在いたしません。広大な庭園で起きた殺人事件の謎を解く「五つの館の謎」と、有名人の遺体を強奪した悪党団に挑む「パンテオンの誘拐事件」の二大巨篇を一挙収録!

フランス版『ロボット刑事K』
完全に題名の出オチでしょ? これに反応できなかったら読まぬが吉。続いて、カミ自身による挿絵がもう卑怯(笑)チロリアンハットは外せませません。
もう「なんだそりゃ」満載ですよ。例えば、クリク・ロボットが潜入先の映像を撮っているのに、彼自身も映ってる! とか、メッセージを暗号でプリントアウトするなよ! とか。そもそもクリク・ロボットが自律なのかよくわからないんだよね。結構アルキメデス博士が操縦してる割には、臨機応変に鼓動したり。むしろ、アルキメデス博士の方が名探偵なんじゃ……そんなツッコミは無粋、と跳ね返すほのぼのさ。
ちょっと『麗しのオルタンス』*1と食感が似ていると思ったんだけど、フレンチコメディはこういうセンス?
楽しませてもらいました。