THE ERDMANN NEXUS AND OTHER STORIES

アードマン連結体 (ハヤカワ文庫SF)

アードマン連結体 (ハヤカワ文庫SF)

『アードマン連結体』ナンシー・クレス〈ハヤカワSF1755〉
日本オリジナル短篇集第2弾。

 収録作品

  • 「ナノテクが町にやってきた」Nano Comes to Clifford Falls
  • 「オレンジの値段」The Price of Orange
  • 「アードマン連結体」The Erdmann Nexus
  • 「初飛行」First Flight
  • 「進化」Evolution
  • 「齢の泉」Fountain of Age
  • 「マリゴールド・アウトレット」Marigold Outlet
  • 「わが母は踊る」My Mother, Dancing

間をおかず、2冊目のオリジナル短篇集が出るってことは、評価されてるってことなんでしょうね。
再読もあるし、ほとんど翻訳作品は読んでるんだけど、イマイチはまんないんだよなぁ。読後が爽快でもなく、嫌な気分になるでもなく、スッキリしない。
クレスの作品はディスコミュニケーションがテーマになっていることが多い。性差、年齢差、階級と様々な関係の齟齬が小さく積み上げられ、最終的にはそのすべてが無意味となる究極のコミュニケーションが待っているが、そうなった時、これまでとは完全なディスコミュニケーションとなる。しかし、それを選ばなかった人々の間でも新たなコミュニケーションのあり方に否応なく適応していかなければならない。
その辺の着地がモヤモヤするかなぁ。
個人的には、クレス版『幼年期の終わり』である「アードマン連結体」と、神を振る舞いながらもエゴに縛られるファーストコンタクトもの「わが母は踊る」がよかったかな。