壜づめの女房


『壜づめの女房』〈早川書房 異色作家短篇集18〉
旧版の異色作家短篇集最終巻。
これでようやく、すべて読破。

収録作品

  • 「夜」……レイ・ブラッドベリ
  • 「非常識なラジオ」……ジョン・チーヴァー
  • 「めったにいない女」……ウイリアム・サンソム
  • 「呪われた者」……デイヴィッド・アリグザンダー
  • 「駒鳥」……ゴア・ヴィダル
  • 「壜づめの女房」……マイクル・フェッシャー
  • 「破滅の日」……ロバート・トラウト
  • 剽窃」……ビル・ヴィナブル
  • 「崩れる」……L・A・G・ストロング
  • 「プレイバック」……J・T・マッキントッシュ
  • 「二階の老婆」……ディラン・トーマス
  • 「変身」……マルセル・エイメ
  • 「わが友マートン」……ジュリアス・ファースト
  • 「災いを交換する店」…… ロード・ダンセイニ
  • 「私の幽霊」……アントニー・バウチャー
  • 「マダム・ロゼット」……ロアルド・ダール

ほとんど雑誌で持ってるし、既読も多いんだけど、やはりオタの習性で入手せずにいられず。


お気に入りは、
・「非常識なラジオ」
 音楽鑑賞が趣味の夫婦。
 新しいラジオを買うが、同じマンションの人々の生活音を拾ってしまう。
 いつしか、妻はそれでゴシップを訊くのが趣味になってしまい……


・「めったにいない女」
 一人でローマを訪れた若者。
 偶然知り合った美女と食事をともにし、ベッドへ……


・「破滅の日」
 ピッツバーグから爆発のニュースが届く。
 さらに各地で……


・「剽窃
 詰まっている作家の前に緑の小人が現れる。
 彼らは素晴らしい小説のネタを話してくれる。
 作家は精神科医のもとへ行くと……


・「変身」
 オルゴールが欲しかったという理由だけで三人を殺した男。
 罪の意識もなく、幼児のような精神だった。
 死刑の日は近づき……


・「二階の老婆」
 目も見えず、寝たきりの老婆の面倒を見る少女。
 金を貯め込んでいるのだが、自分には全くくれない。
 老婆を殺し、下働きの少年と始末しようと考えるが……


・「災いを交換する店」
 それぞれが持っている悪や災いの交換を紹介するという店。
 ある女性は多産の不幸と不妊を交換。
 あるものは知恵と愚かさを交換。
 そして、誰もが満足しているという。


思いの外、古びてないなぁ。
特に、「めったにいない女」と「二階の老婆」は最近のアンソロジーに載ってても、違和感ないかも。
ダンセイニはほとんど読んでないけど、この系統の作品なら手を出してみたいなぁ。
「駒鳥」は既読なんだけど、やはり嫌な話。幼い頃のぞわぞわ感が甦る。
で、凄い面白そうな表題作。一度雑誌で読んでいて、二度目は以前気づかなかったことも読み取れるかと思ったものの、やはりつまらない……。