歌川国芳 奇と笑いの木版画

府中市美術館で開催中の「歌川国芳 奇と笑いの木版画」に行ってきた。


国芳の外連味たっぷりのキャラクターとひじょうに現代的な構図は、今見ても、と言うか、今だからこそ、その斬新さが楽しめると思う。
迫力、ユーモア、ディティール、ホントに漫画っぽくて、たまらない。


個人的には怪物、妖怪が好きなんだけど(がしゃどくろの元絵も国芳ですよ!)、猫にゃんたちがあまりにキュート。
正体がばれた化け猫が踊り出すシーンなんだけど、ほっかむりしていて、楽しそうなんだよね。愛が感じられる。
また、東海道五十三次を、猫を絡めたダジャレで描き尽くした「其のまゝ地口猫飼好五十三疋」は、完全に『ぷ〜猫』ですよ。また、ダジャレだから話し言葉に近いと思うんだけど「飼うの?」とか「重いぞ」当たりを見ると、現代とあまり変わっていなそうで、タイムトラベルしても、言葉はなんとかなりそうなが興味深い(笑)


前後しちゃうけど、妖怪絵では、妖怪たちが涼んでいる「道外化もの夕涼み」がお気に入り。この作品に限らないんだけど、ディティール一つ一つに発見があり、お品書きに天狗の玉子湯(高価)とか描いてあったり、妖怪親子が妖怪盆栽を手にしていたり、着物の柄が髑髏だったり……ツボだよなぁ。
大江山酒呑童子」はキングダークですよ(笑)


役者の似顔絵が禁止されていたため、子供の落書きのように描いた「白面笑壁のむだ書」は、元祖ヘタウマか!?


騙し絵のような作品も多く、そのテクニックを転用したかのような「鼓上蚤時遷」もすばらしい。


予備知識がなくても(俺もないし)、その作品だけで十分に楽しめるのでオススメ。空いてるし。