The Night People and Other Stories
- 作者: エドワード・D・ホック,木村二郎・他
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2010/01/30
- メディア: 文庫
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- 「フレミング警部補最後の事件」Inspector Fleming’s Last Case
- 「どこでも見かける男」The Man Who Was Everywhere
- 「私が知らない女」The Passionate Phantom
- 「夜の冒険」The Night People
- 「影の映画祭」Festival in Black
- 「くされ縁」I'd Know You Anywhere
- 「正義の裁き」The Way of Justice
- 「空っぽの動物園」The Empty Zoo
- 「静かに鐘の鳴る谷」Ring the Bell Softly
- 「やめられないこと」Stop at Nothing
- 「もう一つの戦争」Another War
- 「不可能な”不可能犯罪”」Impossible “Impossible Murder”
- 「出口」The Way Out
- 「大物中の大物」The Man at the Top
- 「家族の墓」Burial Monuments Three
- 「サソリ使いの娘」The Scorpion Girl
- 「知恵の値」The Price of Wisdom
- 「二度目のチャンス」Second Chance
- 「スペインの町で三週間」Three Weeks in a Spanish Town
- 「ガラガラヘビの男」The Rattlesnake Man
既視感が強く、1ページ目でオチがわかっちゃうのが多いんだけど、古臭さではなく、素材の味わい、という感じかなぁ。
一つ一つの印象は薄いものの、さすがはホック、バリエーションに富んでて、今までで一番「現代短篇の名手たち」というシリーズ名に沿った内容かも(ランズデール*1はおかしすぎるので別枠(笑))
お気に入りは、
・「フレミング警部補最後の事件」
引退間近のフレミング警部。
町では、斧による連続殺人が起きていた。
些細な手がかりから、犯人を推理するが……
普通の短篇かと思いきや……これはかなり好き。
・「夜の冒険」
何も事件が起きない土曜の紙面を埋めるため、
1面に載るようなネタを探してこいと命じられた記者。
夜の町で娼婦に出会うが……
・「もう一つの戦争」
しつこく退役軍人団体に勧誘される。
面倒になり、とりあえず顔を出すことに。
狩猟があり、参加するが……
・「二度目のチャンス」
平凡な日々に退屈していた女。
ある日、空き巣狙いの男と出会い、彼と組むことに。
さらに仲間と共に、大きな仕事に着手するが……
・「スペインの町で三週間」
何もないスペインの田舎町で休暇を取ることにした夫婦。
最初は退屈していたが、徐々にその町の空気に親しんでいく。
帰国する週にお祭りがあり……
強い太陽、寂れた町、祭、と『2000人の狂人』*2を思い起こさせる(観たことないんだけど)
ラストの狂躁に飲み込まれていく様も焼け付くよう。
・「ガラガラヘビの男」
ガラガラヘビの入った樽に腕を入れ、その賭によって稼いでいる男。
一年間続けているが、咬まれたのは数えるほど。
アラブ人の客の前でも強運を見せるが、彼らはもう一度蛇の数を増やしてやれと言ってきて……
あたりかな。