The Night People and Other Stories

『夜の冒険 現代短篇の名手たち8』エドワード・D・ホック〈ハヤカワHM362-8〉

  • 「フレミング警部補最後の事件」Inspector Fleming’s Last Case
  • 「どこでも見かける男」The Man Who Was Everywhere
  • 「私が知らない女」The Passionate Phantom
  • 「夜の冒険」The Night People
  • 「影の映画祭」Festival in Black
  • 「くされ縁」I'd Know You Anywhere
  • 「正義の裁き」The Way of Justice
  • 「空っぽの動物園」The Empty Zoo
  • 「静かに鐘の鳴る谷」Ring the Bell Softly
  • 「やめられないこと」Stop at Nothing
  • 「もう一つの戦争」Another War
  • 「不可能な”不可能犯罪”」Impossible “Impossible Murder”
  • 「出口」The Way Out
  • 「大物中の大物」The Man at the Top
  • 「家族の墓」Burial Monuments Three
  • 「サソリ使いの娘」The Scorpion Girl
  • 「知恵の値」The Price of Wisdom
  • 「二度目のチャンス」Second Chance
  • 「スペインの町で三週間」Three Weeks in a Spanish Town
  • 「ガラガラヘビの男」The Rattlesnake Man

既視感が強く、1ページ目でオチがわかっちゃうのが多いんだけど、古臭さではなく、素材の味わい、という感じかなぁ。
一つ一つの印象は薄いものの、さすがはホック、バリエーションに富んでて、今までで一番「現代短篇の名手たち」というシリーズ名に沿った内容かも(ランズデール*1はおかしすぎるので別枠(笑))
お気に入りは、
・「フレミング警部補最後の事件」
 引退間近のフレミング警部。 
 町では、斧による連続殺人が起きていた。
 些細な手がかりから、犯人を推理するが……
 普通の短篇かと思いきや……これはかなり好き。


・「夜の冒険」
 何も事件が起きない土曜の紙面を埋めるため、
 1面に載るようなネタを探してこいと命じられた記者。
 夜の町で娼婦に出会うが……


・「もう一つの戦争」
 しつこく退役軍人団体に勧誘される。
 面倒になり、とりあえず顔を出すことに。
 狩猟があり、参加するが……


・「二度目のチャンス」
 平凡な日々に退屈していた女。
 ある日、空き巣狙いの男と出会い、彼と組むことに。
 さらに仲間と共に、大きな仕事に着手するが……


・「スペインの町で三週間」
 何もないスペインの田舎町で休暇を取ることにした夫婦。
 最初は退屈していたが、徐々にその町の空気に親しんでいく。
 帰国する週にお祭りがあり……
 強い太陽、寂れた町、祭、と『2000人の狂人*2を思い起こさせる(観たことないんだけど)
 ラストの狂躁に飲み込まれていく様も焼け付くよう。

 
・「ガラガラヘビの男」
 ガラガラヘビの入った樽に腕を入れ、その賭によって稼いでいる男。
 一年間続けているが、咬まれたのは数えるほど。
 アラブ人の客の前でも強運を見せるが、彼らはもう一度蛇の数を増やしてやれと言ってきて……

 
あたりかな。