FEERSUM ENDJINN

フィアサム・エンジン (Hayakawa Novels)

フィアサム・エンジン (Hayakawa Novels)

『フィアサム・エンジン』イアン・バンクス早川書房
あらすじまとめるのが面倒なので、キャプション引用。

すでに7回の死を迎え、ベース現実における最後の人生を送るセッシーン伯爵。犬猿の仲である技術クランと工学クランの調整に苦慮しながら、酸素工場の建設を監督する主任科学者ガドフィウム三世。アリのエルゲイツをヒゲワシにさらわれてしまい、〈クリプト〉のカオスに入っていくバスキュール。人知れぬ場所で突然覚醒した謎の少女アシュラ。誰もが変革の時を迎えようとしている。人類が拡大を目指し大宇宙に翔び立っていった〈地球離脱〉から数千年。地球に残った人々は科学を捨て、半ば無気力に暮らしていた。だが、太陽と地球のあいだに〈暗黒星雲〉が忍びよってきたことで、事態は一変する。星雲が太陽を遮り、すでに大気の薄くなった地球から、今度は光までもが失われようとしているのだ。このままでは大氷河期が訪れ、人類は滅亡してしまう。そんなある日、〈滑る石の平原〉で異変が起こった。何千年ものあいだ平原を滑りつづけてきた32個の石が静止し、完全な円形に並んだのだ。これは人類破滅の予兆なのか? 奔放なイマジネーションで終焉を迎えつつある超未来の人類の姿を描き、ウィリアム・ギブスン、ノーマン・スピンラッドなど英米のSFウルサ方を唸らせた英国SF作家協会賞受賞作

あまりのイマジネーションに、最初、全くヴィジュアルが頭に浮かべられなかったんだけど、基底現実、超構造体(メガストラクチャー)という言葉に、『BLAME』の元ネタか! と気づいてからはスイスイ……とは行きません。
冒険ファンタジーであり、サイバーパンクであり、バカSF(笑)
遙か遠未来で繰り広げられる群像劇。ただ、キャラクターも場所もなんでもありで、咀嚼するのに一苦労。仮想現実と現実世界はほぼ等しくリアルであり、人間もクローンも合成生物も同権。さらに、バーチャル空間では時間が、現実世界では建造物のスケール(部屋の中に町があるレベル)がでかすぎて、消失点がまるで見えてこない。正直、読み終わっても、何が起きていたのか、よくわかっておりません。
様々なジャンルとガジェットを抱え込んだメガストラクチャー内を旅する、そんな味わいの小説。
なんで、文庫落ちしないの?