THE DEVILS BRIDE
- 作者: シーベリイ・クイン,大瀧啓裕
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2010/01/10
- メディア: 文庫
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グランダン・シリーズ唯一の長篇。
表紙がいいね。どうしてもデイモスの花嫁と読んでしまう(笑)
ド・グランダンと友人トロウブリッジが出席した結婚式で、衆人環視の中、花嫁が姿を消すという事件が発生。さらにその母親が殺され、幼児誘拐や謎めいた儀式が相次ぐ。そんな中、旧知のフランス人捜査官から、驚くべき知らせを受ける。世界各地の悪魔崇拝者たちが手を結んだというのだ。すべての事件は彼らの仕業なのか!?
短篇とちょっとテイストが違う。とは言え、他は『グランダンの怪奇事件簿』*1しか読んでないから、この作品の毛色が変わっているのかどうかはわからない。グランダンが武闘派なのは相変わらずだけど。
世界各地の悪魔教団のコングロマリット化っていうのは、あまり見た記憶がなく、ちょっと面白い。ただ、互いの崇拝対象がどっちが上か喧嘩しないのか、それが心配に(笑)
時代もあるんだろうけど、主人公たちの言動の背後に白人至上主義、帝国主義的な影がある。もっと露骨だと、逆にあっけらかんとするんだけど、彼らの微妙に保護者ぶった態度は、やはり気になっちゃうなぁ。あと、ロシア人はしばしば動物を操れる、とあるんだけど、そういうイメージだったの?
冒険活劇的といえば聞こえはいいけど、似たような展開の繰り返しで、短篇の方が無駄がなくていいかも(物凄い面白いわけでないけど)
内容とは関係ないけど、「ブローニングはローマ字読み」なんて、白けるからいちいち書かなくていいですよ。あと、アップル・タートはタルトのこと? 原音主義はいいけど、日常語になってるのものを変えられると、なんのことかわからんのですが。
いつもながら解説は力入っているんだけど、神経を逆なでる書き方なんだよなぁ。