Sweet Little Hand and Other Stories
現代短篇の名手たち7 やさしい小さな手(ハヤカワ・ミステリ文庫)
- 作者: ローレンス・ブロック,田口俊樹・他
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2009/12/30
- メディア: 文庫
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「現代短篇の名手たち」7冊目。
収録作品
- 「ほぼパーフェクト」Almost Perfect
- 「怒れるトミー・ターヒューン」Terrible Tommy Terhune
- 「ボールを打って、フレッドを引きずって」Hit the Ball, Drag Fred
- 「ポイント」Points
- 「どうってことはない」You Don’t Even Feel IT
- 「三人まとめてサイドポケットに」Three in the Side Pocket
- 「やりかけたことは」In for a Penny
- 「情欲について話せば」Speaking of Lust
- 「やさしい小さな手」Sweet Little Hands
- 「ノックしないで」 It Took You Long Enough
- 「ブッチャーとのデート」 A Date with the Butcher
- 「レッツ・ゲット・ロスト」Let’s Get Lost
- 「おかしな考えを抱くとき」A Moment of Wrong Thinking
- 「夜と音楽と」 The Night and the Music
ブロックの短篇は以前読んで好みだったので、今回は特に構えず(笑)
普通に良くできた短篇集。その分、ぶっ飛んだのもないんだけど、しっかりオチのつくクライムものを期待して、安心して読める(クライムで安心ってのもなんだけど)。でも、『おかしなことを聞くね』*1ほど唸らなされかったかなぁ。
お気に入りは、
・「ほぼパーフェクト」
いつも不安定なピッチャー。
しかし、その日はどういう分けか調子が良く、気づけば完全試合に進みつつあった。
そういう状況では、ある暗黙の了解があるのだが……
収録作ではこれがベストかなぁ。
完全試合達成の緊張感、事件の発覚がクライマックスに向けて収束して行く様が楽しめた。
・「どうってことはない」
ベテランボクサー。
妻はもう辞めて欲しいのだが、彼もトレイナーも耳を貸さない。
そして、試合でついに……
ラストが嫌な話。諦めた感じとか。
・「やりかけたことは」
出所した男。
仕事も見つけたが、その途中にある酒場には決して近寄らないようにしていた。
しかし、ある日我慢できずに……
オチは予想つくんだけど、その質が……
・「レッツ・ゲット・ロスト」
エレインの客がポーカーで問題が起き、様子を見に行って欲しいと頼まれたスカダー。
部屋に行くと、一人の男がナイフで刺されて死んでいた。
見知らぬ男がやってきて刺したというのだが……
小咄系としてもバズラーとしても面白かったかな。