SANDMAN SLIM

サンドマン・スリムと天使の街 (ハヤカワ文庫FT)

サンドマン・スリムと天使の街 (ハヤカワ文庫FT)

サンドマン・スリムと天使の街』リチャード・キャドリー〈ハヤカワFT505〉
イマイチはまらなかったドレスデン・ファイル*1と雰囲気が似てて、不安になりつつも着手。

11年間を地獄で過ごし、ジェイムズ・スタークは戻ってきた――この世の地獄、ロサンゼルスへと。すべては、彼を裏切り、愛した女を殺したかつての仲間たちに復讐するためだ。だが、力を増した相手の抵抗に遭い、さらにネオナチ・グループや国土安全保障省の乱入で、スタークの復讐にはよけいな使命が課されてゆく……タフで狭滑な一匹狼の、神も恐れぬ戦いをノワールの香り豊かに描く傑作ハードボイルド・ファンタジイ!

アメコミとメガテンを混ぜて、タランティーノで味付けした感じ。
つまり、好物ってことですよ(笑)
主人公が魔法使いというより、ボコられる度に不死身になる能力と変形する武器が印象的で、ホントにコミック的。スタークって名前だけどゴーストライダー(笑)出かける度に服がボロボロになるのも、お約束としていいなぁ。
とは言うものの、絶賛するのは躊躇われる。
天国、地獄、ネオナチ、国土安全保障省、混沌の存在、と世界の破滅を掛けてる割には、街の覇権を争う、チーム同士の抗争みたい。出てくるオカルトガジェットもどこかで見たことあるようなものばかり。本来の目的だった復讐も読んでるうちに記憶から薄れちゃう。この安っぽさ、薄っぺらさが、魅力とも言えるけど。
ただ、B級感を売りにするなら、都市伝説的オカルト論とか、サブカルネタをもっと過剰にやっちゃってもよかったかも。今の分量だと、まだ「B級っぽくてイイでしょ?」と中二病止まり。ウンザリするくらい詰め込んで欲しい。日本は、やはりアダルト・アニメですか(笑)
ところで、サンドマン・スリムってなに?


ちなみに、奥さんはパット・マーフィー*2