ミサイルマン

ミサイルマン―平山夢明短編集

ミサイルマン―平山夢明短編集

ミサイルマン平山夢明〈光文社〉
『ダイナー』*1の評判がいいので、手に入っちゃう前にこちらを着手。


収録作品
・「テロルの創世」
 昭和の風景を残す田舎町。
 しかし、そこに暮らす子供たちを残酷に殺す存在がいた。
 果たして、子供たちと町の秘密は?


・「Necksucker Blues」
 ブラックな不動産屋に勤める醜い男。
 ある日、出会った美女は、そんな彼を見ても何も言わない。
 彼女は生き血を飲むが好きで、彼のような男こそ美味だという。
 血とセックスと、彼女との蜜月が続くに思われたが……


・「けだもの」
 400年生きてきた年老いた狼男。
 彼は自分の身を呪い、最後に残った息子テオにだけはその呪いを封じることに成功した。
 しかし、テオの娘が何者かに殺され……


・「枷」
 女性を拷問の果てに殺すと、死の間際に超能力が発揮されると知った男。
 彼はそれが見たいがために何人も殺してきた。
 どんどん殺したくなってきたため、彼は標的を選ぶ際にルールを決め、それを枷とする。


・「それでもおまえは俺のハニー」
 とある町に流れ着いたアル中の男。
 彼を拾ったのは耳が聞こえない美女。
 彼女の家には無数の黒電話があるのだが、その理由は果て


・「或る彼岸の接近」
 敷地に墓のようなものがあるため、格安の家を借りたタクシー運転手とその家族。
 しかし、妻の言動が徐々におかしくなり……


・「ミサイルマン
 テレクラで引っかけた女を殺し続ける二人組。
 ある日、以前殺した女の顔の皮膚が、動物の仕業で見つかってしまう。
 遺体を埋めた場所は離れているのだが、どうやら彼女に財布を盗まれ、一緒に埋めてしまったらしい。
 腐乱死体の中から、なんとか財布を取り戻せたのだが……


『独白するユニバーサル横メルカトル』*2に比べると、アベレージは大きく下がるなぁ。正直、前半は退屈でどうしようかと思った……が、後半はスピード感、嫌悪感、破壊度、鬼畜度とまるで遜色ない。
ベストは、破壊の過程を執拗に説明する「枷」かなぁ。
どこかで見たことがあるような平凡な街並みに、異形の者どもが集まる「或る彼岸の接近」もいい。
ドタバタバディものでありつつ、耐え難い腐臭を放ち、ラストはしんみりさせる表題作も素晴らしい。


友成純一が人間を肉塊、糞袋として扱って処理するのに対して、平山夢明は最期まで人間として扱うから、痛そうなんだよね。
読むなら、自己責任で。