RIDING THE STORM

注:多分に不快な内容があると思われますので、ロマンス読みの方はスルーして下さい。

嵐を呼ぶ絆 (扶桑社ロマンス)

嵐を呼ぶ絆 (扶桑社ロマンス)

『嵐を呼ぶ絆』シドニー・クロフト〈扶桑社ロマンス ク24-1〉
アメコミ系ヒーロー小説ということで着手。
扶桑社ロマンスを新刊で買うことになろうとは……。俺がアメコミ的に読まずに、誰が読む!

元海軍特殊部隊員のレミーには、感情によって嵐を呼ぶ能力があった。父親の連絡で実家に駆けつけると、そこにいたのはヘイリーという見知らぬ女性。彼女は、超能力者組織〈ACRO〉の異常気象学者で、彼をスカウトしにやって来たのだ。会った瞬間から惹かれ合い、一夜を共にする二人だが……

女はいつも男に飢えている(ただしイケメンに限る


異星人と言葉が通じたり、事件が起こる度に探偵が推理する世界があるんだから、出会った瞬間に欲望に燃える世界があってもかまわないんだけどさぁ……
最初の10ページでお互い欲情してるんでそういう意味では話は早いんだけど、そこから半分くらい(250ページ)までセックスしてるだけなんでストーリーはほとんど動かず。
常時、そそり立って、濡れそぼってますよ。
欲情の一人語りか、愛撫でじらす描写が長く、やること一緒なんだから早くやっちゃえよ! と思っちゃうのは男女の差? いい勉強になりました(なんの?)
あと、やりまくってから告白するのはお約束? 
これ一冊じゃ、サンプルが足りないなぁ。増やしたくもないけど。
男同士のサービスシーンもあり(笑)


ああ、カルチャーショックで、アメコミ的感想を忘れてました。
平たく言うとX-MENなんだけど、幽霊の存在が非常に大きいのが気になる。超能力と霊能力が共存しているのがダメとは言わないけど、なんかバランス悪いんだよなぁ。作者は意識してないんだろうけど、全部同じものとして捉えているような気がする。
主人公は、題名通り、嵐(天候)を操る能力。派手だけど面白みはナシ。たいしたことはやらず、嵐に感情を揺さぶられて、セックスするだけ。もしかして、避雷針ってこと?(あら、下品)稲妻の中、木にもたれてのオナニーシーンは笑える。
電撃能力者のアニカと霊能力者のクリードのエピソードは1巻では特に必要性がないよなぁ。やはり、やってるだけだし。
唯一、反射神経や筋力が超人レベルの能力(種族?)をエクセド・サピエンと名付けているのはちょっと珍しいか。
あと、人間外の姿をしている能力者もいるらしいけど、言及されているだけ。そういうのが見たいのに!
まぁ、ロマンスにおいて、全ての設定は添え物に過ぎないので、突っ込んでもしょうがないけどさ。


物語の面白みは皆無で、ロマンス読みの素質がないなら、手に取る必要はなし。
『緑の瞳のアマリリス*1とか『裏切りの月に抱かれて』*2でロマンスを読んだつもりの俺が甘かった! これに比べれば、ちゃんと物語になってたよ!(実際、後者は面白いです)