Сборник рассказов
- 作者: ウラジーミル・ソローキン,亀山郁夫
- 出版社/メーカー: 国書刊行会
- 発売日: 1999/01/01
- メディア: 単行本
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真のロマニスト*1になるため、着手。
収録作品
・「愛」
・「別れ」
・「自習」
・「競争」
・「可能性」
・「地質学者たち」
・「樫の実峡谷」
・「セルゲイ・アンドレーヴィチ」
・「巾着」
・「しごとの話」
・「シーズンの始まり」
・「弔辞」
・「はじめての土曜労働」
・「寄り道」
・「出来事」
・「記念像」
物語が、意味が、最終的には単語のレベルまで崩壊していき、文字を文字と認識できなくなるゲシュタルト崩壊。
また、読者と物語との狂おしいほどの断絶。感情移入は拒まれ、たとえできたとしても、次の一瞬には、登場人物達の常識とは全く違うものを見ていたことに気づかされる。
「小説」の先入観を破壊されるのは間違いないんだけど、そういう意味では『ロマン』の方が強烈だなぁ。あれは、600ページ延々と助走に耐えて、突然世界が砕けるからこそ、文学が文字通り断片化する衝撃が強かったし、文学としての体裁が取れていたんだけど、短篇だと、その壊している部分のみを見せつけられていて、ちょっとあざといかなぁ。
その断片だけ見ると、なんかねぇ、中坊の落書きって感じ?(笑)『グラインドハウス』*2みたいだな、と思っていたら、なるほど、作者は『パルプフィクション』*3が好きなそうで。ちなみにスカ成分多し。
お気に入りは、
・「愛」
若者に、自分の若かりし頃の愛の物語を語る男。
しかし……
これは物語と言うより、小説の構造を破壊している作品なんで、あらすじを書く意味はないかな。
・「自習」
女の子のスカートめくりをしている生徒をしかる女教師。
そんなにスカートの中に興味があるなら……
これは、ソローキンの妄想プレイですか?(笑)
『しあわせのひこうき雲』*4みたいな話。
・「地質学者たち」
地質学の貴重なサンプルを集めた学者たち。
しかし、同僚に遭難の可能性が。
助けに行くことはできるが、そうすればサンプルを放棄しなければならない。
はたして?
二段階でなんじゃこりゃ? な作品。
それ言ったら、全作品がそうなんだけど。
・「樫の実峡谷」
峡谷を散歩する祖父と孫。
突然祖父が……
これもさっぱり意味がわからないんだけど、孫に焦点を当てると怖い話だなぁ。
・「はじめての土曜労働」
はじめての土曜労働に来た男。
そこで、一緒に働いているメンバーはお祝いに……
なんで、こんな話を小説で読んでいるんだろう……
なんだかんだ言って、けっこう楽しんでしまった自分がいる(笑)