2009年10月号

S-Fマガジン 2009年 10月号 [雑誌]

S-Fマガジン 2009年 10月号 [雑誌]



今月は、神林長平谷甲州野阿梓デビュー30周年記念特集/ロシアSF小特集』


翻訳は、ロシアSFが2本。
・「クリエイター」…… オレグ・オフチンニコフ
 団地の1室に籠もり、標語や留守番電話の文句を考えるクリエイターたち。
 出来高で賃金と麻薬(?)がもらえるのだが、主人公は何も思いつかない。
 そんな生活に嫌気がさし、二度と戻れない覚悟で団地を出ることを決意する。
 主人公が狂っているのか、世界が狂っているのか、その両方なのか。
 クリエイター、団地、政府、やかんの水、を色々と読むことができると思うけど、主人公の焦燥感はひじょうに強く、現在の不況にも重なり、読んでいるこちらにも伝わってくる。


・「祝宴」…… アンドレイ・サロマトフ
 会社が終わり、パーティの容易をする男。
 テーブルに食べ物を並べ終わると、箱を開けて……
 これもアパートの一室の物語で、パーティの様子は楽しそうなんだけど、それと同時に、ひじょうに孤独感を感じさせる物語。
 現在のロシアの状況とか、色々込められているのかもしれないけど、それを無視しても変な話で楽しめた。


解説にある「世界で最後の戦争」は面白そうだなぁ。


「大森望の新SF観光局」は、チャン来日と韓国のSF事情。


「デッド・フューチャーReMix」は、L5協会の政治への関わり。


「SF挿絵画家の系譜」は、佐々木侃司


「サはサイエンスのサ」は、インフルエンザつづき。
ホントに面白い。次が待ち遠しい。


「サイバーカルチャートレンド」は、並列処理だが……


「センス・オブ・リアリティ」は、
金子隆一は、BCI技術。人体のハッキングって、数年前まで完全なSFだったよなぁ。
香山リカは、日本総ワイドショー化。


「MAGAZINE REVIEW」は〈F&SF〉誌
"The Curandero and the Swede : A Tale from the 1001 American Nights"ダニエル・エイブラハム
"Andreanna"S・L・ギルバウ
"Stratosphere"ヘンリー・ガーフィールド
が面白そう。


来月はバラード追悼。また追悼特集……
ミスマガキム・ニューマンが掲載されるので要チェック。