BEFORE THE CRADLE FALLS

時限捜査上 (創元推理文庫)

時限捜査上 (創元推理文庫)

時限捜査下 (創元推理文庫)

時限捜査下 (創元推理文庫)

『時限捜査』ジェイムズ・F・デイヴィッド〈創元推理文庫Mテ-11-1、2〉
イマイチ確信が持てなかったんだけど、好物だと逃したくないので着手。

ソマーズはポートランド市警の敏腕刑事だったが、事故で娘を失って以来、アルコール依存症に陥っていた。そこに、西海岸を恐怖に陥れている、連続殺人犯〈クレイドルラバー〉が現れ、復帰のチャンスとして、その特捜班の班長に。捜査を進めていく内、事件現場に現れ、間一髪で子ども達を救い出している〈青い肌の男〉の存在が浮かび上がる。彼はまるで事件を予知しているかのような行動を見せるのだが……

こういうミステリが読みたかったんだよ! ……ミステリか?
それはさておき、これは創元のGood Jobでしょう。最大のトリックは背表紙の色ですよ(笑)惜しむらくは、原題どおり『ゆりかごが落ちる前に』の方がよりミステリっぽかったのに。
〈青い肌の男〉の正体は大喜びするか、本を投げつけるか評価が分かれるところ。もちろん前者ですよ。まぁ、世界の命運と少女の死をかけた選択や〈青い肌の男〉が事件を阻止する理由に深みがまるでないんだけどね。クレイドルラバーやシェリーのキャラクター造型は結構いいと思う。
ラストはジャンルものとして好みのオチ。