奇想の王国 だまし絵展

Bunkamuraで開催中の『奇想の王国 だまし絵展』に行ってきた


だまし絵ばかり見ていた幼年期(今も)を送った人間にとって、アルチンボルドは、もおアイドルですよ。
今までさんざん、その手の本で見慣れた作品を実際に目にできるのは、ひじょうに幸せ。


トロンプルイユは本で見るといまいちピンとこなかったんだけど、実物をちょっと遠目で見ると、確かに本物がそこにあるように見えるね。しかも当時は電気がなかったわけだし。
「これはこれは大量でしたな」「はっはっは。そう思われますかな。実はこれは絵なのですよ」みたいな寸劇が当時は演じられていたのかと(笑)
それから、砂時計や書物は虚栄のモチーフである、のヴァニタス画もありましたよ。


作図法を見ながら、実際に作ってみたかったアナモルフォーズももちろん展示。
なんで、こういうテクニックを思いついたんだろうねぇ。
現代人が、過去に跳んだのか?(笑)
だまし絵本に必ず載ってる「誤った遠近法」や判じ絵も眼福。


アルチンボルドの「ウェルトゥムヌス」が初来日。
「水」は最近の研究ではアルチンボルド工房の作品だとか。
この二つが見られたのもうれしいんだけど、「ルドルフ2世、マクシミリアン2世、フェルディナント1世の三重肖像画」が感動。仕組みは、傾けると絵柄が変わるキラキラシールと同じなんだけど、400年前に凄いよ。


日本のだまし絵も展示。
暁斎国芳あたりは今見ても本当に漫画的でステキすぎ。
広重の「即興かげぼしづくし」は難易度高いんですけど(笑)


20世紀の作品になってくると、だまし絵、とはちょっと意味合いが変わってきて面白くないんだよなぁ。
マグリットはサンリオの表紙にしか見えません(笑)


だまし絵好きなら必見の展覧会。
オススメ。