PROBABILITY SPACE

プロバビリティ・スペース (ハヤカワ文庫SF)

プロバビリティ・スペース (ハヤカワ文庫SF)

『プロバビリティ・スペース』ナンシー・クレス〈ハヤカワSF1696〉
三部作最終巻。

何者かにカペロが誘拐される。偶然、それを目撃した娘のアマンダは、マーベットを頼って月に向かうが、彼女はカウフマンとともにワールドへ向かっていた。彼らは共有現実のなくなったワールドがどうなったのか、そしてアンたちの無事を確かめに行ったのだ。一方、反政府組織に捕らえられ、火星にやってきたアマンダは、ピアース大将のクーデターに遭遇。強硬派の彼は、人工物をフォーラーの星系に送り、殲滅を目論んでいた。しかし、それには宇宙崩壊の危機が……

ラスト100ページは展開早いスペースオペラでなかなか面白かった。……というか、その100ページ以外は別にいらなくない? 
元々三部作として書かれた訳でないからかもしれないけど、三部作としてのまとまりは薄いんだよなぁ。三巻だけ取っても、アマンダの冒険もあまり生きているとも言えないし。
ワールドの文明を破壊し、フォーラーも最後に出てくるだけ、人工物の正体、ときて、やっぱりひとりぼっち、という結末はちょっと寂しい。