今年の読了本2008

今年の読了本を回顧。(あと1冊くらい行けそうだけど)
もう、SF者は自称しない方がいいかも……


今年のSFは、文句なく『時間封鎖』だなぁ。

時間封鎖〈上〉 (創元SF文庫)

時間封鎖〈上〉 (創元SF文庫)

オーソドックスだけど、『探索者』もひじょうに楽しめた。
べ、別にラブコメが好きじゃないんだからね! というわけで、『マーブル・アーチの風』。もっと地球の静止する日みたいなアンソロジーはもっと出して欲しいなぁ。
探索者 (海外SFノヴェルズ)

探索者 (海外SFノヴェルズ)

地球の静止する日 (角川文庫)

地球の静止する日 (角川文庫)

続編は『遠すぎた星 老人と宇宙2』『スタークロス』『量子真空』が刊行。
ニュー・スペオペはなりを潜めたけど『老人と宇宙』が売れて、ミリタリSFがちょろちょろと。
ハヤカワの毎月連続刊行○部作は、どうもイマイチ……
古本で『銃、ときどき音楽』に着手。文庫に落ちてないのが惜しい。SFでないけど『モデル・ワールド』所収の「人間以上」はSF者必読かと。
銃、ときどき音楽

銃、ときどき音楽

モデル・ワールド (Hayakawa Novels)

モデル・ワールド (Hayakawa Novels)



ファンタジー『ジョナサン・ストレンジとミスター・ノレル』かなぁ。
ジョナサン・ストレンジとミスター・ノレルI

ジョナサン・ストレンジとミスター・ノレルI

まだ完結していないけど、『あたしと魔女の扉』はラストが楽しみ。何が面白かったのかさっぱりなんだけど、『ブライトノミコン』は、捨てがたい(笑)『剣の輪舞』が増補版で復刊。BL気味だけど、なかなか骨太の異世界もの。『裏切りの月に抱かれて』はアーバン・ファンタジーの翻訳ものとしてはイチオシ。やっと『宿縁の矢』が出たのも今年。
あたしと魔女の扉 (ハヤカワ文庫 FT ラ 3-1)

あたしと魔女の扉 (ハヤカワ文庫 FT ラ 3-1)

ブライトノミコン―リズラのはちゃめちゃな一年間 (創元推理文庫)

ブライトノミコン―リズラのはちゃめちゃな一年間 (創元推理文庫)

剣の輪舞 増補版 (ハヤカワ文庫 FT カ 2-3)

剣の輪舞 増補版 (ハヤカワ文庫 FT カ 2-3)

裏切りの月に抱かれて (ハヤカワ文庫FT)

裏切りの月に抱かれて (ハヤカワ文庫FT)

宿縁の矢―ヴァルデマールの使者〈2〉 (C・NOVELSファンタジア)

宿縁の矢―ヴァルデマールの使者〈2〉 (C・NOVELSファンタジア)



ミステリは選ぶほど読んでないけど、個人的趣味で、『犯罪王カームジン あるいは世界一の大ぼら吹き』『検屍審問―インクエスト―』
検死審問―インクエスト (創元推理文庫)

検死審問―インクエスト (創元推理文庫)

カーシュとワイルドが好きなだけですな(笑)
あとは、『道化の町』、『ランポール弁護に立つ』、『サーカス象に水を』あたりが好み。
道化の町 (KAWADE MYSTERY)

道化の町 (KAWADE MYSTERY)

ランポール弁護に立つ (KAWADE MYSTERY)

ランポール弁護に立つ (KAWADE MYSTERY)

サーカス象に水を

サーカス象に水を

スワガー−サンはいろんな意味で面白い。
四十七人目の男〈上〉 (扶桑社ミステリー ハ 19-14)

四十七人目の男〈上〉 (扶桑社ミステリー ハ 19-14)



ホラーは、ぶっちぎりで20世紀の幽霊たち
20世紀の幽霊たち (小学館文庫)

20世紀の幽霊たち (小学館文庫)

ハートシェイプト・ボックス』が全くはまらなかったんだけど、これは文句なしに傑作。異色好きにも是非オススメ。
閉店時間ケッチャムの短篇は初めてだけど、やはり傑作。
閉店時間 (扶桑社ミステリー ケ 6-9)

閉店時間 (扶桑社ミステリー ケ 6-9)

キングの短篇集も読み始めました。異色短編として面白いね。


異色・奇想系は、象徴的な題名の『変愛小説集』がベスト。
変愛小説集

変愛小説集

他にも『哀れなるものたち』、『山羊の島の幽霊』、『血液と石鹸』、『ミスター・ミー』とオススメが多い。
哀れなるものたち (ハヤカワepiブック・プラネット)

哀れなるものたち (ハヤカワepiブック・プラネット)

山羊の島の幽霊

山羊の島の幽霊

血液と石鹸 (ハヤカワepiブック・プラネット)

血液と石鹸 (ハヤカワepiブック・プラネット)

ミスター・ミー (海外文学セレクション)

ミスター・ミー (海外文学セレクション)

この系統の作品では、ランダムハウス講談社が無視できない存在に。
毎年読んでいたカレールもこれで打ち止め。みんな嫌な話でオススメ。
冬の少年

冬の少年



今年は、珍しく日本人作家を多く読んだ。内訳は、

突如やってきた友成ブーム! 『獣儀式』だけ読んどけばいいかなぁ(笑)
獣儀式 (幻冬舎アウトロー文庫)

獣儀式 (幻冬舎アウトロー文庫)

サクリファイスは普通にオススメ。『おとうさんがいっぱい』は超怖ぇ!
サクリファイス

サクリファイス

おとうさんがいっぱい (新・名作の愛蔵版)

おとうさんがいっぱい (新・名作の愛蔵版)



ノンフィクションでは『南極1号伝説』が面白かった。
南極1号伝説 ダッチワイフからラブドールまで-特殊用途愛玩人形の戦後史

南極1号伝説 ダッチワイフからラブドールまで-特殊用途愛玩人形の戦後史

証明後にドラマチックな展開を見せるポアンカレ予想もオススメ。エクストリームアイロニングの松澤さんにサインしてもらったので『そこにシワがあるから』も思い入れが。
ポアンカレ予想―世紀の謎を掛けた数学者、解き明かした数学者

ポアンカレ予想―世紀の謎を掛けた数学者、解き明かした数学者

そこにシワがあるから──エクストリーム・アイロニング奮闘記

そこにシワがあるから──エクストリーム・アイロニング奮闘記



ミクシィ始めるまでは全く興味なかったのに、古本系マイミクの既読率が100%に近いために、読むことになってしまったラテンアメリカ文学も慣れました(笑)
ようやく読めたのが『夜のみだらな鳥』。よくわからないけど、一読の価値あり。
夜のみだらな鳥 (ラテンアメリカの文学 (11))

夜のみだらな鳥 (ラテンアメリカの文学 (11))

『モレルの発明』『ラテン・アメリカ怪談集』も良かった。
モレルの発明 (フィクションの楽しみ)

モレルの発明 (フィクションの楽しみ)

来年は『百年の孤独』に着手したい。


映画原作を読むのが一時期マイブームに(笑)ランボー』『ハスラー2』共に映画と全く違うストーリーで面白かったです。
一人だけの軍隊 ランボー (ハヤカワ文庫)

一人だけの軍隊 ランボー (ハヤカワ文庫)

ハスラー2 (角川文庫)

ハスラー2 (角川文庫)



今年のガッカリ賞は『神秘結社アルカーヌム』。『リーグ・オブ・エクストラオーディナリー・ジェントルメン』、『ドラキュラ紀元』の興奮を再び! はなかなかないか……


集めている叢書類は、プラチナファンタジイが3冊、奇想コレも3冊、KAWADE MYSTERYが4冊、未来の文学が1冊、とけっこう出てるね。
サンリオの新訳復刊が、『氷』、『ハローサマー、グッドバイ』、『金剛石のレンズ』と3冊も(だよね?)! 福武だけど名作『エンジン・サマー』も新訳で。


今年はほとんど新刊しか読んでないから、来年は古本比率を増やしたいなぁ。新刊・古本が半々なのが理想的。
新刊買いはSF、奇想・異色系に絞って、ファンタジー、ミステリはなるべく抑える方向で行きたい……けどなぁ(笑)