PROBABILITY SUN

プロバビリティ・サン (ハヤカワ文庫SF)

プロバビリティ・サン (ハヤカワ文庫SF)

『プロバビリティ・サン』ナンシー・クレス〈ハヤカワSF1694〉
プロバビリティ三部作、第2巻。

報告書から、ワールドの山中に埋められた人工物が戦局を大きく変えるはずだと確信したカウフマンは、天才物理学者カペロを加えたチームでワールドに向かう。早速掘り出し、実験をすると、やはり巨大人工物と同じ能力があることが判明。しかし、前回も参加していたアンは、人工物をワールド外に持ち出すと彼らの文明が崩壊すると反対。一方、極秘裏に進められていた、生け捕りしたフォーラーの尋問にも問題が……

前巻に続いて、ネタバレ気味な表紙(笑)
なんか戦争をしている感じがしないんだよなぁ。
文化人類学SFを書くための舞台作りとして、戦争を背景に持ってきているのか、それとも本当にミリタリーSFを書くつもりなのかが判然としない。
ワールド人文明の崩壊と再生も、フォーラーとの対話もそれなりに面白いんだけど、その両者の中心たる人工物の接着力が弱く、バラバラの物語を読んでいるような印象。人工物の秘密もイマイチ緊迫感がない。
第3部はキャンベル賞を獲ってるそうだけど……