2008年度読了翻訳短篇

ついでに『ミステリマガジン』も。
今年読んだのは2冊。
お気に入りは、


・「バーカー蒐集家」……キム・ニューマン
 本のコレクターを訪れた女。
 彼は嬉しそうに自分のコレクションを披露しはじめる。
 特に、クライブ・バーカーのコレクションが自慢らしく……
 ラストはひどくて笑える。
 古本ヲタは、自分の姿を客観的に見ると改めてイタイな、と言うお話(笑)


・「小人たちと働いて」……ハーラン・エリスン
 若くして天才と呼ばれた作家。
 しかし、突然、アイデアが枯れてしまう。
 これからどうしようか悩んでいると、タイプライターの音が。
 そこでは小人たちが打っていた……
 よくありそうなテーマだけど、ラストが一捻りがかなり好き。


・「ベストセラー保証協会」……ジョー・R・ランズデール
 12年間、全くうだつの上がらない物書き。
 以前の親友はベストセラー作家となっていて、彼にコネを紹介してもらおうとする。
 ベストセラー保証協会という名刺を渡され、電話をすると、ある条件と引き替えに、ベストセラー作家にしてやると言われ……
 これも条件の切り出しで笑ってしまった。


・「棒」……カール・エドワード・ワグナー
 戦地に向かう前に、川の散策にやってきた絵描き。
 そこで彼は、無数の不気味な棒格子を目撃する。
 戦争が終わり、30年が経っても、その不気味さは忘れられない。
 ある日、ホラー作家の豪華本の挿絵の仕事を受け、その棒を描くと……
 モデルはリー・ブラウン・コイというイラストレーターだそうで、そのイラストには棒格子が描かれている。
 この話を読んでからみると、意味不明でさらに不気味。


・「ミステリ小説を愛した男」……ビル・プロンジーニ&バリー・N・マルツバーグ
 ミステリ小説が何より好きな社長。
 妻はもっと高尚なものを読んで欲しいと思っているのだが、やめるつもりはない。
 彼は自分が小説の登場人物だったらと想像するが……