THE MEMORY OF EVA RYKER

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エヴァ・ライカーの記憶』ドナルド・A・スタンウッド〈創元推理文庫ス-12-1〉

真珠湾攻撃直前のホノルル。アメリカ人観光客夫妻惨殺事件での失態を機に警察を辞職したノーマン。21年後、作家として成功していた彼の元に、タイタニック号のノンフィクションの執筆依頼が来る。遺留品引き揚げに着手した大富豪ライカーたっての頼みらしい。ノーマンはタイタニックには浅からぬ因縁があった……。取材を始めた彼の周りに起きる殺人や謎。タイタニックからの生還者、エヴァ・ライカーの封印された記憶が解かれるとき、タイタニック沈没、ホノルルの惨殺事件、ライカーの遺留品引き揚げの関係が明らかになる!

冒頭からぐいぐい引き込まれ、ラストまで一気読み。
事件→謎→ちょっと前進→また事件……というループが上手く配置されていて、最後まで飽きさせない。各所に散りばめられた意味ありげな点を全て拾い上げて線でつないでいき、ラストで一つの絵が完成していくのは快感を覚える。。ミステリとしても、あれこれ真相を推理できて楽しめた。
ただ、世界中を飛び回るにしては全くそれが感じられず、同じスタジオで撮っているように見えてしまう。また、主人公が単なる作家の割には、やたらと冒険野郎すぎるのも……? ストーリーテリングはいいのに、主人公がイマイチ薄っぺらいんだよなぁ。あえて、冒険小説のお約束を踏襲したのか?
それでも、エンターテイメントとして、多くの人にお勧めできる一冊。
タイタニック』のラストだけ観たくなっちゃった(笑)