2008年9月号

S-Fマガジン 2008年 09月号 [雑誌]

S-Fマガジン 2008年 09月号 [雑誌]

今月は、『中国SF特集』
久々の非英語圏SF特集。前回は2003年10月号?
それと今日泊亜蘭追悼。今年は追悼が多いなぁ……


翻訳は3本。
・「水棲人」……韓松
 対立する月面の白色人種と地球の黄色人種
 来るべき最終戦争後、荒廃した陸を捨て、海でその文明を受け継いでいくために作り出された水棲人。
 彼らが増える一方、戦争も激しくなっていき……


・「さまよえる地球」……劉 慈欣
 太陽の爆発が予測され、アルファ・ケンタウリに新天地を求め、
 巨大なエンジンを取り付けて、地球自体を宇宙船と化する。
 すでに太陽は遠く離れたが、ある噂が……


・「シヴァの舞」……江 波
 人類を滅ぼそうとするウイルス。
 寒さに弱いため、南極に一握りの生き残りがいた。
 死ぬのは怖くないい男が、そのウイルスのための被験者になるが……


生理的嫌悪感ではないけど、何か生理的に受け入れられないメンタリティが根っこに存在していて、どうにも居心地悪い。
「水棲人」は日本が舞台なんだけど、欧米が描く日本とも異なって、違和感が著しい。政治的な匂いもあるし。文字通り赤い海とか。
全体主義的な感じはするかなぁ。人類補完機構の「人びとが降った日」とたいして変わらないから、コードウェイナー・スミスの目は確かと言うこと(笑)
「シヴァの舞」が一番欧米SFに近いかな。 


「大森望のSF観光局」は、ジュディス・メリル


「デッド・フューチャーReMix」は、オニールとクラークの宇宙進出。


「SF挿絵画家の系譜」は、秋吉巒
この人の画集欲しいなぁ。


「サはサイエンスのサ」は、環境からの情報


「センス・オブ・リアリティ」は、
金子隆一は、飛行機の味(笑)と完全黒体
香山リカは、宮崎の死刑執行。


「MAGAZINE REVIEW」は〈アシモフ〉誌
"The Last American"ジョン・ケッセル
"Shoggoths in the Bloom"エリサベス・ベア
"The House Left Empty"ロバート・リード
が面白そう。


来月は〈新しい太陽の書〉特集。