BORGES E OS ORANGOTANGOS ETERNOS

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『ボルヘスと不死のオランウータン』ルイス・フェルナンド・ヴェリッシモ〈扶桑社ミステリ　ウ31-1〉
題名にそそられて着手。

ブラジル人の「私」は、アルゼンチンで開催されるE・A・ポーの研究総会へ参加できることになった。しかも、長年の夢だったボルヘスとの対面も果たした。だが、総会は不穏な空気に覆われ、ついに事件が起こる。論争の種をまいていたドイツ人が殺されたのだ。現場の部屋は施錠され、死体は文字をかたどっていた……密室とダイイング・メッセージの謎にボルヘスが挑む。カバラからクトゥルー神話までを縦横に論じ、史上最強の安楽椅子探偵の推理はどこへ行く？　南米発、衒学的文芸ミステリー。

このあらすじから予想していたよりも遙かに薄い文庫だなぁ。
衒学趣味と言うには、内容もちょっと物足りない。
歴史の裏の陰謀論としては『フーコーの振り子』に遙かに及ばず、陰謀とクトゥルー神話を結びつけたものとしては、〈イルミナティ〉みたいには笑えず。
それら全ての陰謀論をキャラクターたちが真面目に語っているのか冗談なのか、煙に巻かれた感じがラテンアメリカっぽい（のか？）
ラストがメタなのはけっこう好みなんだけどね。
一番のマイナスは、ボルヘスもポーも、全く読んでないことかなぁ（自分が悪いんだけど）