2008年8月号

今月は、SFMよりSFな面子を揃えた2年ぶりの「幻想と怪奇」特集


翻訳は5本。
・「バーカー蒐集家」……キム・ニューマン
本のコレクターを訪れた女。
彼は嬉しそうに自分のコレクションを披露しはじめる。
特に、クライブ・バーカーのコレクションが自慢らしく……
ラストはひどくて笑える。
古本ヲタは、自分の姿を客観的に見ると改めてイタイな、と言うお話(笑)


・「小人たちと働いて」……ハーラン・エリスン
若くして天才と呼ばれた作家。
しかし、突然、アイデアが枯れてしまう。
これからどうしようか悩んでいると、タイプライターの音が。
そこでは小人たちが打っていた……
よくありそうなテーマだけど、ラストが一捻りがかなり好き。


・「一八四九年、九月末、リッチモンド」……フリッツ・ライバー
リッチモンドのバーで、一人の女性に出会ったポオ。
はたして、彼女の正体は?
ポオの知識が全くないので、あまり楽しめなかったのが残念。
絡み方はひどいね(笑)


・「ベストセラー保証協会」……ジョー・R・ランズデール
12年間、全くうだつの上がらない物書き。
以前の親友はベストセラー作家となっていて、彼にコネを紹介してもらおうとする。
ベストセラー保証協会という名刺を渡され、電話をすると、ある条件と引き替えに、ベストセラー作家にしてやると言われ……
これも条件の切り出しで笑ってしまった。
設立当時のベストセラー作家は誰だったんだろ?


・「棒」……カール・エドワード・ワグナー
戦地に向かう前に、川の散策にやってきた絵描き。
そこで彼は、無数の不気味な棒格子を目撃する。
戦争が終わり、30年が経っても、その不気味さは忘れられない。
ある日、ホラー作家の豪華本の挿絵の仕事を受け、その棒を描くと……
モデルはリー・ブラウン・コイというイラストレーターだそうで、そのイラストには棒格子が描かれている。
この話を読んでからみると、意味不明でさらに不気味。