BUFFET FOR UNWELCOME GUESTS

招かれざる客たちのビュッフェ (創元推理文庫)

招かれざる客たちのビュッフェ (創元推理文庫)

『招かれざる客たちのビュッフェ』クリスチアナ・ブランド〈創元推理文庫262-01〉

 収録作品
・「事件のあとに」 After the Event
・「血兄弟」 Blood Brothers
・「婚姻飛翔」 Twist for Twis
・「カップの中の毒」 Poizon in the Cup
・「ジェミニー・クリケット事件」 The Gemminy Crickets Case
・「スケープゴート」 The Scapegoat
・「もう山査子摘みもおしまい」 No More A-Maying...
・「スコットランドの姪」 The Niece from Scotland
・「ジャケット」 Hic Jacet
・「メリーゴーラウンド」 The Merry-Go-Round
・「目撃」 Upon Reflection
・「バルコニーからの眺め」 From the Balcony
・「この家に祝福あれ」 Bless This House
・「ごくふつうの男」 Such a Nice Man
・「囁き」 The Whispering
・「神の御業」 Hand of God

基本的に、短篇は小咄系のものが好み。
だから、ラストでニヤリとするか、ドキリとするか、なるほどと唸らせてくれるものを求めてしまう。
さて、この『招かれざる客のたちビュッフェ』はどうだったかというと……かなりアタリでありました。
ミステリとしては、たぶん古びているだろうし、その辺はあまり興味がないんだけど、ラストがまさに望んでいたもの。
最後の一行のために読んじゃう。しかも、意地悪なの多いし。


お気に入りは、
・「事件のあとに」
 とある舞台一座。
 主演俳優の妻は、自分の思い通りにならないと、脅迫めいたことをして夫を従わせていた。
 そんな彼女が殺されるが、劇団員たちは口裏を合わせたかのような証言をして……


・「血兄弟」
 そっくりな双子。
 しかし、弟が兄の恋人を寝取ったため、それ以来険悪に。
 ある日、弟が車で少年を轢き殺してしまう。
 兄が口裏を合わせてくれると言うが、
 彼はその恋人を殺すから、弟に協力してくれと頼んできた。


・「カップの中の毒」
 ヘロインを大量に服用して自殺すると言ってきた看護婦。
 狂言らしいのだが、彼女は医師の子供を身ごもったという。
 医師の妻は、スキャンダル封じのため、コーヒーにヘロインを入れて彼女を殺すが……


・「ジェミニー・クリケット事件」
 犯罪によって孤児になった子供たちを育てている弁護士。
 その彼が不可解な状況で殺され、さらに一人の警察官も同じように殺される。


・「スコットランドの姪」
 資産家の老婆の宝石を狙う男女二人組の強盗。
 警察も出し抜いたのだが……


・「メリーゴーラウンド」
 病気で亡くなった不動産屋。
 しばらくして、地元の名士でもある弁護士から未亡人に連絡が入る。
 故人はどぎついポルノ写真をコレクションしており、恥をかきたくなければそれを買い取れと迫ってきた。
 彼女はそれに従うが……


・「バルコニーからの眺め」
 向かいの家に住む老婆にいつも監視され、その噂話を気にしている主婦。
 それが気になって太り、夫は浮気をするように……