NIGHT SHIFT
ナイトシフト〈2〉トウモロコシ畑の子供たち (扶桑社ミステリー)
- 作者: スティーヴンキング,高畠文夫
- 出版社/メーカー: 扶桑社
- 発売日: 1988/07
- メディア: 文庫
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キングはほとんど読んだことがない(短篇を1、2本読んだかどうか)。お叱りを覚悟で書くと、個人的には、映画の原作の人、以上でも以下でもないんだよね。映画はかなり見てるから(笑)、好きも嫌いもなく、別に読む予定もない作家。……だったんだけど、先日、マイミクから、飲みながら「初期短篇は読め!」と猛プッシュを受けたので、仕方なしに着手。
収録作品
・「超高層ビルの恐怖」 The Ledge
街の大物の妻に手を出したテニスコーチ。
高層ビルの窓から、外壁の縁に立ち、一周して戻ってこれたら、妻も金もやると言われるが……
最初がこれだったんで、かなりキングの印象が変わりました。
・「芝刈り機の男」 The Lawnmower Man
芝刈りサービスを頼んだ男。
やってきたのは、太って汚らしい男で……
これって『バーチャルウォーズ』の原作じゃなかったっけ? どのへんが?
・「禁煙挫折者救済有限会社」 Quitters,Inc
友人に勧められて入った禁煙をするための会社。
そこは、煙草を吸うと家族に危害を与えるというものだった!
これはラストで大笑い。好み。
・「キャンパスの悪夢」 I Know What You Need
エリザベスの前に現れた、彼女が求めるどんなこともわかってくれるさえない青年。
どんどん彼に惹かれていくが……
・「バネ足ジャック」 Strawberry Spring
霧深い、ストロベリースプリングの夜。
大学の女子学生が連続して殺されていく。
犯人は見つからず、いつしか忘れられていく……
・「トウモロコシ畑の子供たち」 Children of the Corn
一面トウモロコシ畑の中を通る道路で、少年の死体を見つけた夫婦。
近くの町の保安官に渡そうとするが、そこには十年以上前から人がいないようで……
これは、途中までは、チープだからこそ、逆に生理的嫌悪感を催す80年代ホラーでよかったんだけど、ラストがなぁ。
・「死のスワンダイヴ」 The Last Rung on the Ladder
自殺した妹からの手紙。
そこに書かれていたのは?
・「花を愛した男」 The Man Who Loved Flowers
誰もが微笑まずにはいられないような、見るからに恋している男。
彼は花を持って彼女の元へ行く。
・「<ジェルサレムズ・ロット>の怪」 One for the Road
猛吹雪の中、半ば凍傷になりながらもバーにやってきた男。
車が動かなくなり、妻子を中に残して助けを求めにきたという。
しかし、彼らが向かおうとしていた村の名を聞いて……
・「312号室の女」 The Woman in the Room
末期癌の母親を見舞う男。
彼がしようとしていることは?
普通に異色作家短篇集として面白かったですわ(笑)
個人的お気に入りは、「超高層ビルの恐怖」「禁煙挫折者救済有限会社」「バネ足ジャック」「トウモロコシ畑の子供たち」あたり。
どうやら、オチが幽霊系の超常現象っていうのが好みでないらしい。怪獣はオールグリーン(笑)。オカルトは好きだと思ってんだけどなぁ。『ハートシェイプト・ボックス』も同じ理由なんだけど。
自分の中で、ホラー、ミステリ、SFの線が引けそう。もうちょい整理してから、今度の古本ツアーのときにディスカッションしたいと思います(笑)