ラテンアメリカ五人集

ラテンアメリカ五人集』〈集英社文庫 特5-10〉
私的ラノベ週間第2弾

 収録作品
・「砂漠の戦い」…… ホセ・エミリオ・パチェーコ
・「小犬たち」……マリオ・バルガス=リョサ
・「鏡の前のコルネリア」…… シルビーナ・オカンポ
・「白」…… オクタビオ・パス
・「青い目の花束」……オクタビオ・パス
・「見知らぬふたりへの手紙」…… オクタビオ・パス
・「グアテマラ伝説集」…… M・A・アストゥリアス

マジックリアリズムマジックリアリズムと聞いていた上に、今まで読んでいたのが幻想系ばっかだったので、ラテンアメリカの作品は全部そんなのばかりだと思い込んでおりました(頭悪すぎ)
本書は、半分が普通の小説。でも、文章が不思議なせいで、幻想的な読書感があった。



お気に入りは、
・「砂漠の戦い」
 友人の美しい母に恋してしまった少年。
 しかし、周りは彼のことを全く理解せず……


・「小犬たち」
 犬に性器を噛み切られてしまった少年。
 親友四人とともに成長していくが、そのことに悩み、彼だけは恋人を作らず、その行動はどんどんエキセントリックに……
 改段落、かぎ括弧がない会話文だけ、という変則的な文章で彼らを追体験できるのに、ラストの老後で、蔑んでいる当人たちが実は置いてけぼりを喰らった感じがなんとも。


・「青い目の花束」
 暑い夜、散歩に出ると、突然刃物を突きつけられる。
 目玉をくれと迫られるのだが……
 全くわけがわからないんだけど、これは怖い。