L’INTERPRETE

[rakuten:book:12637464:detail]
『通訳』ディエゴ・マラーニ〈東京創元社

ジュネーヴの国際機関で通訳サービスの責任者を務めるフェリックス・ベラミーは部下から報告を受けた。16か国語を操るひとりの通訳が、同時通訳中に異常をきたすという。問題の通訳は、「全生物が話す普遍言語を発見しかけているのだ」と主張するが解雇され、ベラミーに執拗につきまとったのち失踪を遂げた。彼の狂気は伝染性のものだった。うつされたベラミーは、奇怪な言語療法を受け、通訳が遺した謎のリストを携え欧州中を放浪することに――。あらゆるものに隠れて鼓動する創造の恐るべき力。知的遊戟に満ちた、現代イタリア発幻視的物語。(表紙あらすじより)

ここから予想(期待)したものとは、全く違う小説でした。
漠然と『[rakuten:book:11282676:title]』みたいなのを(なぜか)想像してたんだけど、斜め上に転がり落ちていくような、かなり変な地獄巡りもの。


「ドイツ語がアスピリンのような働きをするからです」
言語それぞれに固有の作用があり、それを学ぶことによって治療する言語療法が出てきたときにはくらくらしたんだけど、その後の展開は違う意味でくらくら。地獄巡りは主人公があり得ないような不幸の連続で転落していく様を楽しむものだけど、こちらはなんか色々とぶっ飛んでるんだよね。その脈絡のなさがまた味になってるけど。
主人公以外の事柄はかなりおざなりな扱いなのは、なんらかの効果を狙ってのこと? 浮気とか、殺人とか、伝染とか、色々気になることが残ってるんですけど。それとも、普遍言語の前には、そんな人間の事象は些末なことでしかないのか。ミステリだとしたら出来が悪いけど、これはミステリじゃないよな?
変な小説には違いないけど、ちょっと好みが合わなかった。


以下ネタバレ反転
さようなら、いままで魚をありがとう