2008年1月号

S-Fマガジン 2008年 01月号 [雑誌]

S-Fマガジン 2008年 01月号 [雑誌]

今月は、『テッド・チャン特集』
最新作、エッセイ、インタビューも入り、お買い得。短編集はいつ出るかわからないしね。


翻訳作品は、特集、エッセイなどを含めた6本。
・「商人と錬金術師の門」……テッド・チャン
 変わった店の主人に、20年の時間を跳ぶことができる門を見せられた商人。
 それを使った人々の顛末を聞かされ、彼は20年前に行くことを決意。
 商人は20年前に妻を亡くしていたのだ……
 アラビアンナイトの世界で描かれたタイムトラベルもの。
 過去は変えられず、そして未来を知っても、それでも人生は続き、心安らかに人生を送る、という「地獄とは神の不在なり」と似たタイプの作品。
・「予期される未来」……テッド・チャン
 スイッチを押す前にランプが点灯する装置。決して光る前には押せない。
 それは、人間の自由意志を否定するもので……
 2ページのショートショートだけど、今月はこれがイチオシかな。
・「科学と魔法はどう違うか」……テッド・チャン
 このテーマのエッセイは少なくないけど、こうからめて来るとは。
 なかなか納得。
・「テッド・チャンインタビュウ」
 ワールドコンでのインタビュー企画の全訳。
・「ダイノクロム」……キース・ローマー
 知能のある戦車。
 気づくと、記憶がなく、車体もボロボロに。
 一体何が?
 元祖フチコマ
・「特別大使との夕暮れの会談」……セルゲイ・ルキヤネンコ
 高度な文明を持った宇宙人が侵略してきた。
 彼らは理解力はあるものの、要求は地球全土。
 ロシア人の特別外交官は、なんとか交渉で少ない領土で収めてもらおうとするが……
 『ナイトウォッチ』のルキヤネンコの短篇。
 どうも、アメリカと日本の関係みたいのを見ちゃって、複雑な気分。
 異星人の高潔な魂は信じたいけど……


「乱視読者のSF短篇講義」は第7回
ベスターの「ピー・アイ・マン」


「大森望のSF観光局」
テッド・チャンを囲む会。


「デッド・フューチャーReMix」は、1940年代のヴィデオ・ディスクの第2回


「SF挿絵画家の系譜」は、山野辺進


「サはサイエンスのサ」は、深海の生態系(2)


「センス・オブ・リアリティ」は、
金子隆一は、幽体離脱。これ、ちょっと被験者になってみたいなぁ。
香山リカは、謝罪会見


「ゼロ年代の想像力」山岸涼子吉田秋生よしながふみ


「SF BOOK SCENE」はSF/ファンタジイ長篇
アダム・ロバーツのGradisilが面白そう。


「MAGAZINE REVIEW」は〈アシモフ〉誌
"Tideline" エリザベス・ベア
"The Sky" クリス・ロバースン
"Dead Horse Point" ダリル・グレゴリイ
"My Heart As Dry As Dust" キム・ジムリング
が面白そうだった。


ミステリマガジンは今月から紙面刷新。
特に変わってなかったけど、巻頭ページがカラーに。
あと、背表紙が完全に変わったので、ちょっとびっくり。