HOMICIDE MY OWN

わたしが殺された理由 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

わたしが殺された理由 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

『わたしが殺された理由』アン・アーギュラ〈ハヤカワHM335-1〉読了

14歳の少女を恋人として逃げた30代の男を連れ戻すため、シャリッシュ島のアメリカン・インディアン特別保留地に向かった、警官のオッドとクイン。初めての地にもかかわらず、なぜかオッドは店や人々の名前を知っていた。そこには33年前に起きた未解決の殺人事件があり、どうやらオッドはその時殺された少女の生まれ変わりらしい。前世の記憶を頼りに、証拠を追っていくが……

ハヤカワHMにしては、けっこう異色作。
語り手のクインは50手前の女性警官で、いつも更年期でヒステリックなのが面白い。リーダビリティも悪くない。
ただ、転生ものとしては薄いなぁ。基本的に前世の記憶を辿るだけで、あまり障害はないし、周りもかなり協力的。主人公の混乱もなし。せっかくインディアン保留地が舞台なんだから、アミニズムとか絡めて欲しかった。最後の邂逅ももうちょい盛り上げるとか。
この手のだと、『愛と死の間で [DVD]』とか『楽園 (新潮文庫)』の方が好きだなぁ。