夜の姉妹団

夜の姉妹団―とびきりの現代英米小説14篇 (朝日文庫)

夜の姉妹団―とびきりの現代英米小説14篇 (朝日文庫)

『夜の姉妹団』柴田元幸・編〈朝日新聞社〉読了
現代英米作品のアンソロジー

収録作品
・「夜の姉妹団」……スティーヴン・ミルハウザー
・「結婚の悦び」……レベッカ・ブラウン
・「境界線の向こう側」……ミハイル・ヨッセル
・「僕たちはしなかった」……スチュアート・ダイベック
・「古代の遺物」……ジョン・クロウリー
・「シャボン玉の幾何学と叶わぬ恋」……レベッカ・ゴールドスタイン
・「アート・オブ・ベースボール」……ドナルド・バーセルミ
・「ドナルド・バーセルミの美味しいホームメード・スープ」……ドナルド・バーセルミ
・「コーネル」……ドナルド・バーセルミ
・「いつかそのうち」……ジェームズ・パーディ
・「ジョン・フォードの「あわれ彼女は娼婦」」……アンジェラ・カーター
・「匕首をもった男」……ラッセル・ホーバン
・「ラベル」……ルイ・ド・ベルニエール
・「北ロンドン死者の書」……ウィル・セルフ

異色・奇想系アンソロジーっていう訳じゃないんだけど、変な話が多かった。


お気に入りは
・「夜の姉妹団」
 最近、夜になると少女たちが集まって何かやっているらしい。
 何かの儀式か? 秘密結社か?
 不安になった大人たちは監視し、止めさせようとするが……
 まったく正体がわからないんだけど、そのわからなさが魅力なんだろうなぁ。
・「僕たちはしなかった」
 浜辺でしようとしている二人。 
 しかし、そこにパトカーがやってくる。
 女性の水死体を収容しに来たのだ。
 それ以来、二人の間に溝が……
・「いつかそのうち」
 刑務所帰りの青年。
 彼は自分が厄介になっていた家主にひどいことを言ってしまったため、
 せめて謝りたいと考えていた。
 しかし、刑務所での怪我が元で、名前を思い出せない。
 ただ、彼がゲイということと、ポルノ映画館にいつも行っていたことは覚えている。
 そこで、映画館の客を相手にしながら、彼を探し始める。
・「ラベル」
 キャットフードのラベルコレクションにはまってしまった男。
 集めても集めてもきりがないのだが、
 フランス出張の際、海外のラベルにも魅了されてしまう。
 ついには仕事もクビになり、残されたのは缶詰だけで……
 個人的には、これが一番のヒット。
 本と違って、ラベル系のコレクションって止め時がないんだよね。
 この作者の他の作品も読みたくなった。
・「北ロンドン死者の書
 ある日、町で死んだはずの母に出会う。
 彼女は死んでから、他の町で暮らしているという。
 なんでも、人は死ぬと、それまでとは別の町に引っ越すらしいのだ。
 ウィル・セルフは苦手なんだけど、これは好きです。
 これくらいわかりやすくないと、ついて行けません。
 オチがまた、ラリってる感じでたまらない。