BLOOD CRAZY

地獄の世紀(上) (扶桑社文庫)

地獄の世紀(上) (扶桑社文庫)

地獄の世紀(下) (扶桑社文庫)

地獄の世紀(下) (扶桑社文庫)

『地獄の世紀』サイモン・クラーク〈扶桑社ミステリー〉読了

ある日、突然、世界中の大人が子供を殺し始める。19歳未満ならば無差別に。17歳のニックは両親に弟を殺され、命からがら街から脱出する。大人たちは一人残らず知性も理性もなくし、怪我を負わせてもひるむことなく群れで襲ってくる。ニックはサラという少女を助け、逃げ続ける。途中、彼らは子供たちのコミュニティと合流し、大人たちが攻めてこない山間のホテルに新天地を作る。しかし、その中で分裂が起き、残酷なリーダーが支配を始める……

「ススムちゃん大ショック」なわけですが、むしろ『28日後……』に似てる印象。そう言えば両方ともイギリスの作品だっけ。
大人たちの描写は完全にゾンビ風。大人が子供を殺す、といういわば出オチなんで、ショックは最初だけ。ゾンビものは、やはりヴィジュアルがないと、ちょっと弱いかなぁ。
物語の前半はサバイバル、後半は未来の伝説という感じで予想外。この手の物語にしては閉塞感があまりないのが、ちょっと物足りないかも。
アントワヌ・ヴィールツの『飢え、狂気、犯罪』みたいなのを期待したんだけど、ああいう臭いはなぜか一切感じず、なんとなくジュヴナイルっぽい手応え。まさか違うよなぁ……
悪くはなかったです。