戦争はいかに「マンガ」を変えるか

『戦争はいかに「マンガ」を変えるか――アメリカンコミックスの変貌』小田切博〈NTT出版〉読了


911がアメコミ・アメコミ作家に与えた影響を解説した評論本。


同時多発テロが影響を与えなかったはずはなく、特に、アメリカン・コミックの中でも、DCとMARVELはニューヨークに本社があったため、その影響と混乱は凄まじい。
『AMAZING SPIDER-MAN #36』は訳されたときに読んだけど、正直理解しがたい。そこに至った経緯や意味など、なるほどと首肯しっぱなし。
フランク・ミラーの『DK2』の話も知ってはいたけど、改めてかなりショック。
ブーンドックス』は読んでおこうかなぁ。


911以降の本題も興味深く読みましたが、前半の、アメコミとは? アメコミの販売方法、概説など、も本当にありがたい。原著を追わないで、(ほぼ)翻訳本オンリーの、しかもそれほど前から読んでいなかった初心者としては大変に勉強、参考になります。海外の少年時代もので、段ボールいっぱいのアメコミを宝箱にしているシーンがやっと理解できた。日本のエロ漫画は認識が違うとか、マクファーレンの話とか、新聞漫画と風刺漫画は全く別とか、いろいろと話のネタになる。


個人的には、『ウォッチメン』『ダークナイト・リターンズ』に始まり、『マーヴルズ』→『アストロシティ』『POWERS』などの概略がかなり興奮。特に、最初の三作を読んでいなかったら、たぶん、アメコミはまってないもんなぁ。


アメコミ者はもちろん、アメコミ否定派も、是非読んで欲しい。日本の漫画を褒め称えるのは別にいいけど(漫画好きだし)、アメコミを全く読みも調べもせず、大昔からのイメージだけで否定論を語るのは本当に恥ずかしいんで、理論武装のためにもオススメ。


もう一度読んで、ちゃんと消化しないと。


ところで、『スパイダーマン』のツインタワーが写ってるシーンってどこ? 見直すか。