THE HISTORY OF LOVE

ヒストリー・オブ・ラヴ

ヒストリー・オブ・ラヴ

『ヒストリー・オブ・ラヴ』ニコール・クラウス〈新潮社〉読了
『風の影』が気に入ったのなら、とa nanny mouseさんに薦められて着手。

レオ・グルスキは、家族をナチに殺され、ポーランドから渡米してき元錠前師。レオには、彼の存在を知らない息子がおり、その成功を見るのが生きがい。ある日、レオは小説を書いてみようとタイプライターに向かう。
『愛の歴史』という知る人の少ない小説に出てくる少女にちなんで名づけられたアルマ。父は亡くなり、浮世離れした翻訳家の母と、自分を聖人だと信じている弟の三人暮らし。ある日、スペイン語で書かれていた『愛の歴史』を個人的に訳して欲しいと母に依頼が来る。母に新しい恋を見つけてあげたいと思う一方、『愛の歴史』の歴史のアルマは実在の人物だと信じ、彼女を探すことを決意する……

ダメだ〜。表面上のあらすじだけじゃ、この魅力は伝えられない。
基本ラインは、レオとアルマの2本柱。そこに『愛の歴史』、その作者リトヴィノフ、レオの息子、アルマの弟などの話が並行して語られていく。
最初はそれぞれの全く関係がわからず、時折、ドキッとするような断片が挿入される。
その断片がだんだん積み重なり、接点はあるものの、決して交わることはなさそうだったそれぞれの物語が徐々に収束しつつ、ラストで……
うーむ、素晴らしい。
物語は実は入り組んでいて、何度も前の描写を読み返してしまいました。
出たのは12月だから、読んでれば昨年のベストの一冊に挙げていたなぁ


本、想像力、それら愛する人へ、オススメ。


一つわからないんだけど、レオがモデルのバイトに行ったときの少女ってアルマ