2006年度掲載翻訳短篇

S-Fマガジン』も2006年度が終わったので掲載翻訳短篇総括。
1年早いなぁ〜

・「人鳥たち」……マイクル・G・コーニイ
「ルート66」……レイ・ブラッドベリ
「痕跡」……スティーヴン・バクスター
「ルシフェラーゼ」……ブルース・スターリング
「マレーシアの人魚」……ジェイン・ヨーレン
「アニタ」……キース・ロバーツ
「妖虗のハンドバッグ」……ケリー・リンク
「ロンドンにおける“ある出来事”の報告」……チャイナ・ミエヴィル
「遺す言葉」……アイリーン・ガン
「チップ軍曹」……ブラッドリー・デントン
「ひいらぎ飾ろう@クリスマス」……コニー・ウィリス
「1873年のテレビドラマ」……R・A・ラファティ
「オールモスト・ホーム」……テリー・ビッスン
「グラス・フラワー」……ジョージ・R・R・マーティン
「プランク・ダイヴ」……グレッグ・イーガン
「サンバード」……ニール・ゲイマン
「魔女と自転車」……ティム・プラット
「少年が死体で見つかって」……クリストファー・バルザック
「ダ・ヴィンチさん」……キット・リード
「ザ・ホルトラク」……ケリー・リンク
「青き深淵へ」……ジェフリー・A・ランディス
「暗黒の中の見知らぬ他人」……サラ・ゼッテル
「ロキ」……ラリイ・ニーヴン
「ワイオミング生まれの宇宙飛行士(前・後篇)」……アダム=トロイ・カストロ&ジェリイ・オルション
「アヴの月、九日」……ダン・シモンズ
「カナカレデスとK2に登る」……ダン・シモンズ
・「しばしの沈黙」……ケリー・リンク
「地上の働き手」……マーゴ・ラナガン
「天使と天文学者」……リズ・ウィリアムズ
「小熊座」……ジャスティナ・ロブスン
「スタンダードな悪夢にようこそ」……ロバート・シェクリイ
「けっして終わらない西部劇映画」……ロバート・シェクリイ
「地下室の魔法」……エレン・クレイギス
「イーリン・オク伝」……ジェフリイ・フォード
「使い魔」……チャイナ・ミエヴィル
「一ドルで得られるもの」……ブライアン・W・オールディス
去年より、掲載数は多いのかな?
文庫はシンギュラリティスペオペが目立った印象だけど、雑誌の方はけっこうバラエティに富んでます。
むしろ、広義のファンタジィ作品が多いかな?


個人的お気に入りは、
・「アニタ」……キース・ロバーツ
 すごい面白いわけじゃないんだけど、
 まとめて一冊で出して欲しい、という期待を込めて。
 ラノベ風の表紙でもこれはOKだと思うんだけどなぁ。


・「ロンドンにおける“ある出来事”の報告」……チャイナ・ミエヴィル
 かなりぶっ飛んでて、 かなり想像の埒外にある物語。
 タイポグラフィで遊んでいるらしく、英語に堪能なら、原著に当たったほうが楽しそう。
 ミエヴィルは12月号にも掲載されていて、今後も翻訳期待。


・「ひいらぎ飾ろう@クリスマス」……コニー・ウィリス
 今年のウィリスはこの一作のみ。
 非常に軽めで、ラブコメなんだけど、なかなか楽しかったです。


・「オールモスト・ホーム」……テリー・ビッスン
 ビッスンらしい、変な話なんだけど、これはかなり当たりでした。
 ラストはしんみり。


・「魔女と自転車」……ティム・プラット
 初登場作家。
 普段から、ケッチャムだの『異形の愛』だの言ってますが、
 青臭いボーイ・ミーツ・ガール系の作品も好き(笑)


・「ワイオミング生まれの宇宙飛行士」……アダム=トロイ・カストロ&ジェリイ・オルション
 個人的には、これが今年のベスト。
 ちゃんと毎月購読するようになってから3年余り。
 ワタクシ、初めて、涙を抑えることができませんでした。
 これは涙腺に来ます。


・「カナカレデスとK2に登る」……ダン・シモンズ
 シモンズの短篇は好きだけど、SF短篇はあんまり読んだことないかも?
 宇宙人と地球人による、エベレスト登山もの。
 ラストの台詞がいい。


・「しばしの沈黙」……ケリー・リンク
 いつもながら、さっぱりあらすじが伝えられない作品(笑)
 今年は、これを含めてリンク作品は3作。推してます。
 「ザ・ホルトラク」は『どこにもない国―現代アメリカ幻想小説集』にも収録されています。
 こちらもオススメ。
 短篇集が出る予定だったと思うんだけど……


・「イーリン・オク伝」……ジェフリイ・フォード
 「アイスクリームの帝国」には劣るけど、この作品も好きです。
 今年は『シャルビューク夫人の肖像』も出たし、そろそろ短篇集を出して〜。


こんな感じでしょうか。チョイスもファンタジィばかりに。


他には、「ルシフェラーゼ」、「マレーシアの人魚」、「チップ軍曹」、「1873年のテレビドラマ」、「天使と天文学者」、「ロキ」あたりも面白かったです。


特集では、『日本作家特集』『2005年度英米SF受賞作特集』『創刊600号記念特大号』『ヤング・アダルト・ノベル特集』『秋のファンタジイ特集』が読み応えがあったかな。