2006年12月号

今月のSFマガジンは、久々の『秋のファンタジイ特集』
ファンタジイ特集なので、
氷と炎の歌』『エルリック』『エレニア記&タムール記』のガイドつき。


翻訳作品は4本。
・「地下室の魔法」……エレン・クレイギス
継母にいじめられているメアリ・ルイーズ。
新しくやってきた優しい黒人家政婦が魔法を教えてくれる。
本邦初訳作家。
ラストがなんとも痛々しい。
ハッピーエンドなのかなぁ。
・「イーリン・オク伝」……ジェフリイ・フォード
貝殻の中から出てきた妖精の手記。
海の妖精は、子供が作った砂の城の中で実体化し、それが崩れるまでの人生なのだ。
イーリン・オクの一生が綴られる。
子供が想像の設定を考えながら砂の城を作るって言う感覚は、かなりワクワクするものがあります。
おそらく、LEGO大人は、他の大人よりも大量にこの成分が残ってるはず(笑)
あと秩父珍石館の館長にも。
やはり、ジェフリイ・フォードの短篇は好きだな。
そろそろ短篇集出してよ。
・「使い魔」……チャイナ・ミエヴィル
魔法使いに川に捨てられた使い魔。
しかし、使い魔はあらゆるものを吸収し、体を作りながら、町に向かっていく。
動物の破片が機械に有機的に結合されていて、生理的嫌悪感を催すと同時に、
「ガンバ」「ウォーターシップタウン」などのような小動物もののいとおしさも感じる奇妙な作品。
ラストは全てをエネルギーにしちゃうわけ?
・「一ドルで得られるもの」……ブライアン・W・オールディス
浅倉久志コレクション。
この世界とは別の進み方をした、無数にある蓋然世界。
そこを訪れることのできるマシンで、彼が今回やって来たのは……
ユートピアもの。
あまりにも理想的な世界過ぎて、よんでてしんどい。


今月はみんなアタリでした。


「デッド・フューチャーReMix」は、血液SFつづき。
今回はボグダーノフの『赤い星』


「SF挿絵画家の系譜」は、石原豪人(前編)
やはり、前後編だと読みでがあっていいなぁ。


「サはサイエンスのサ」RNA干渉


「センス・オブ・リアリティ」は、超光学顕微鏡


「SF BOOK SCENE」はホラー
ストロスの"The Atrocity Archives"面白そうだなぁ


「MAGAZINE REVIEW」は〈インターゾーン〉
"Longing for Langalana"メルクリオ・D・リヴェラ
"Summer's End"ジェイミー・バラス
"2+2=5"ルーディ・ラッカーテリー・ビッスン
が面白そうだった。