ARCHANGEL PROTOCOL

アークエンジェル・プロトコル (ハヤカワ文庫SF)

アークエンジェル・プロトコル (ハヤカワ文庫SF)

『アークエンジェル・プロトコル』ライダ・モアハウス〈ハヤカワSF〉読了

2076年、大戦を経て、ほとんどの人々はネットでつながり、何らかの宗教を信じている世界になっていた。ディードリは、元刑事で、凄腕のネットサーファーだったが、相棒が法皇を暗殺したため、そのあおりを受けてリンクを切断され、今ではしがない私立探偵。ある日、超美形の刑事が彼女の元を訪れる。その依頼は「今リンク上に現れている天使は偽者だから、それを暴いて欲しい」というとんでもないものだった。しかも、その報酬は、不可能なはずのリンク接続の回復……。はたして、依頼人の正体とその目的は?

出てくるガジェットはみんな好物だし、サイバーパンクで女探偵の一人称、とくれば冒頭から期待せずにはいられません……が、う〜ん、『オルタード・カーボン』を頭に描いていたんだけど、読みたかったものと違う。
サイバーパンク+女探偵ものじゃなくて、サイバーパンク+ファンタジィ。少なくとも、ハードボイルド女探偵ものを期待してはいけません。
つまらなくないし、シリーズの続きも読みたいけど、なんか不思議な食感でした。


後ろで語られると思っていた説明とか謎がそのまま終わっちゃうのがなぁ。
以下多少反転ネタバレ。
ディードリの復活したリンクが高性能なのはなぜ? 奇跡ってこと?
ダニエルの聖書はなんだったの? ダニエル書と引っ掛けてるような気もするけど……
結局マウスの目的はなに? 途中で何回か語られている推測どおりってこと?
はなんで偽天使問題に介入してきたの?
割と謎だらけ。