THE EGG OF THE GLAK

グラックの卵 (未来の文学)

グラックの卵 (未来の文学)

『グラックの卵』浅倉久志・編〈国書刊行会 未来の文学〉読了
ユーモアSFアンソロジー
収録作品は9篇。


 収録作品
・『見よ、かの巨鳥を!』……ネルスン・ボンド
 ある日、太陽系の彼方から巨大な鳥が飛んでくる。
 木製がちっぽけに見えるほどの、その巨鳥は地球方向に向かっているらしい。
 はたして、その目的は?
 ひじょうに馬鹿馬鹿しい設定なんだけど、この話、恐くない?
・『ギャラハー・プラス』……ヘンリー・カットナー
 発明家のギャラハー
 彼は泥酔すると、天才的な人格が現れ、凄い発明を残す。
 しかし、目が覚めると自分でもそれがなんであるか記憶にない。
 どうやら、今回も何か発明したらしい。
 しかも、依頼人は3人いて、すでに前払い金を受け取っているらしいのだが……
 シリーズもので、3作ほど訳されているそうです。他のも読みたくなった。
 ナルシストのロボット、ナルキッソがいいんだよなぁ。
・『スーパーマンはつらい』……シオドア・コグズウェル
 新天地を求めて、地球を離陸した超能力者たち。
 アルファ・ケンタウリに向かう途中、突然現れた男。
 彼は、違う星の超人類なのだろうか?
・『モーニエル・マサウェイの発見』……ウィリアム・テン
 口と自信だけは凄い、ヘボ絵描きのモーニエル・マサウェイ。
 ある日、彼の元に未来人がやってくる。
 なんでも、モーニエルは未来では歴史上最高の芸術家だとされているらしく、
 その研究家が若き彼に会いに来たのだ。
 しかし、その作品を見て……
・『ガムドロップ・キング』……ウィル・スタントン
 森で遊んでいた少年。
 そこに、宇宙人の子供が現れる。彼は王様だという。
 ガムドロップをあげると、ひじょうに喜び、
 お礼になんでも聞いてあげると言う。
 かなり王冠がラヴリー。
 かわいらしいんだけど、ラストは「トワイライトゾーン」的にやり。
・『ただいま追跡中』……ロン・グーラート
 失踪した女性を追う、新米探偵。
 見つけて、監視しようとするが、専用クルーザーの調子がおかしい。
 修理をするが、やはり……
・『マスタースンと社員たち』……ジョン・スラデック
 ワンマン社長のマスタースンと、無意味な命令に従う社員たち。
 これは……わからん!
 読んでて辛くはなかったんだけど、さっぱりわかりませんでした。
 言葉遊び系は、原語で読まないといけないんだろうなぁ。
・『バーボン湖』……ジョン・ノヴォトニイ
 禁酒旅行にやってきた二組の夫婦。
 そこには酒場もなく、夫二人は我慢できない。
 しかし、散歩でたどりついた湖は酒で満たされていた……
 そんだけの話なんだけど、なんかほんわかしてて、けっこう好き。
・『グラックの卵』……ハーヴェイ・ジェイコブズ
 変わり者の教授から息子のようにかわいがられていた警備員。
 彼が亡くなり、その遺言を受け取る。
 教授は、すでに絶滅したと思われていたグラックという鳥の卵を見つけ、保管しているという。
 それを無事孵化させて欲しいというのだが、他にもその卵を狙う存在がいた!
 オチがくだらなくていいなぁ。
 ピヨピヨは気づくでしょう(笑)


気に入ったのは、『見よ、かの巨鳥を!』、『ギャラハー・プラス』、『モーニエル・マサウェイの発見』、『ガムドロップ・キング』、『グラックの卵』かな。