2006年8月号

今月は毎年恒例の「幻想と怪奇特集」



特集作品は3作
・「呪われた空き家」……マックス・アラン・コリンズ
 田舎町に取材に来ていたコルチャックは、そこの不動産屋に声をかけられる。
 以前の持ち主が溺死した屋敷があるのだが、
 今までに2軒の不動産屋が手を出そうとしたのだが、同じように溺死したらしい。
 そこで、この不動産屋はこの屋敷を売りに出して名を上げるため、
 コルチャックになんとかして欲しいと頼んできたのだ。
 不動産屋の女性社員とともに、呪いを解こうとする。
 コルチャックは見たことないんで、なんとも言えないんですが、
 怪奇短篇としては、けっこうオチは好きです。
・「ある美しい夏の日、彼は……」……ロバート・R・マキャモン
 ゴッサムシティ郊外に内気な少年がいた。
 彼は、精神病院に入院したことのある父親に、いつも笑顔を強要され、
 彼自身は死んだ動物を拾ってきて、その白骨でオブジェを作ることを趣味にしていた。
 ある日、近所の子に秘密の場所を知られてしまい……
 キャプションにジョーカーって書かなかった方がより「なるほど感」があった気がするけど、
 それはアメコミ読んでる人間の意見で、ミステリマガジンじゃしょうがないか。
 グロテスクで、幻想的な、なかなか嫌な短篇(笑)
・「血まみれの影」……ロバート・E・ハワード
 盗賊団に襲われた村から逃げてきた少女を見つけたソロモン・ケイン。
 しかし、彼女はすぐに息絶える。
 名も知らぬ彼女の復讐のため、ケインはアフリカ奥地にまで追い続ける!
 パルプの匂いが香ばしい中編。
 昔は古臭い作品は苦手だったんですが、
 最近はこの手のものも楽しめるようになってきました。
 オッサンになってきた証拠!?
 解説にもあるハワードの最期は、以前、たまたま夜中に見た『草の上の月』と言う映画で知りました。
 ガンの母親が危篤状態になり、そのショックで猟銃自殺。
 あんなマッチョな作品を書いていた作者が、
 若くして、こんな最期を迎えたとは、非常にショックでした。