2006年6月号

今月は『ヤング・アダルト・ノベル特集』
YA小説って、いまだに定義がよくわからない。
ティーンエイジャー向けってことでいいの?
日本で言うところのライトノベルってイメージなんだけど、違うのかな?


翻訳作品は5本。
・『サンバード』……ニール・ゲイマン
 ありとあらゆるものを食べつ尽くした美食クラブ
 ただ、サンタウンのサンバードだけは食べてないという。
 そこでエジプトに飛び、サンバードを捕まえることに。
 ゲイマンらしい短篇。
 なんだけど、ラファティへのオマージュだとか。
・『魔女と自転車』……ティム・プラット
 内気な少年コーリー。
 不良のロッコにいじめられているが、
 近所に快活な少女ヘザーが引っ越してきて、彼女に好意を抱く。
 ある日、良い魔女と名乗る不気味な女の夢を見る。
 その夢の通りにすると、ロッコを叩き飲めてしまう。
 魔女はロッコの前にも現れており、しかも相反することを言っていた……
 初登場作家。
 普段から、ケッチャムだの『異形の愛』だの言ってますが、
 こういう青臭いのも非常に好き。
 短篇で、今後の二人が見たいけど、これでいいんだろうね。
 いつも思うんだけど菊池健さんはボーイ・ミーツ・ガール系のイラストが似合うなぁ。
・『少年が死体で見つかって』……クリストファー・バルザック
 廃線の線路の下に埋められた少年遺体が見つかった日、
 母が交通事故で車椅子になった。
 そしてぼくは……
 初登場作家。
 うーん。あんまりこういうのは得意じゃない。
 もう、人生はどうなってもいいってこと?
・『ダ・ヴィンチさん』……キット・リード
 リリアンの父親は独学でタイムマシンのようなもの発明し、
 レオナルド・ダ・ヴィンチを呼び出した。
 彼と様々な討論をし、完璧なダ・ヴィンチ伝を書こうとするのだが、
 徐々にダ・ヴィンチの存在がお荷物になってきて……
 久々のリードの翻訳。
 家族とダ・ヴィンチの板挟み感。
 そしてダ・ヴィンチ自身の孤独感が伝わってくる好篇。
・『ザ・ホルトラク』……ケリー・リンク
 エリックはトルコ人の店長バトゥと共にコンビニに住み込んでいる。
 やってくるのは、聞こ見ゆる深淵からやってくるゾンビばかり。
 いつも店の前を通る、犬を安楽死させる仕事に就いているチャーリーに片想いしているが、
 彼女はバトゥにトルコ語を習うためいつも一緒にいる。
 バトゥは告白しろと言うが……
 概要だとさっぱり理解不能だな。
 いや、本編読んでもよくわかんないんだけど(笑)
 ちなみに、人間とゾンビの間にカナダ人がいます。
 「ルイーズのゴースト」に似てるかな? たぶん、リンク好きは満足できると思う。


「デッド・フューチャーReMix」は、ネモとナショナリズム


「SF挿絵画家の系譜」は、依光隆
終戦の時の言葉が面白い。


「サはサイエンスのサ」は消費エネルギー


「SF BOOK SCENE」は短編集/アンソロジー/チャップブック
ジョー・ヒルの短編集は訳されないかなぁ。
公表はされてないけど、キングの息子だそうです。


「MAGAZINE REVIEW」は〈F&SF〉誌
マシュー・ヒューズ"Shadow Man"
テリー・ビッスン"Planet of Mystery"
が面白そう。


世界SF情報には、
3/16に、デイヴィッド・ファインタックが亡くなったそうです。
それと、ロバート・ジョーダンが難病だと発表。頑張ってもらいたい。