THE RED RIGHT HAND

赤い右手 世界探偵小説全集（24）

『赤い右手』J・T・ロジャーズ（国書刊行会）読了
レビューが、どれもこれも「なんじゃこりゃ！」的な感想だったので、逆にそそられて着手。

若き資産家のセントエーメは、婚約者のエリナとともに自動車旅行をしていた。
その途中、ヒッチハイクをしていた不気味な浮浪者を拾う。
しかし、セントエーメはその浮浪者に車ごとさらわれ、
彼は右手を切断された遺体となって見つかる。
たまたま、付近に来ていた脳外科医リドルは、事件に巻き込まれる。
だが、彼だけがセントエーメの車を見えていなかった。その理由は？
そして、切り取られた右手の意味は？

時系列を分断させた叙述は、読者を混乱させ、かつグイグイと引き込まれる。
次々に現れる偶然、ミスディレクション……
そして、語り手リドルによる、ラストの推理！
いやいや、ことばと戯れるのはやめよう。
「なんじゃこりゃ！」でした。


ミステリなんで詳しく書けないけど、
この脱力感は読まないとわからないかも。
畳み掛けるように現れる偶然は、当然の犯人を予想させるし、
ラストの推理も、実は……と期待させるものの、
すべてを裏切られて終了〜
思わず笑っちゃったよ。
へたくそなミステリをネタにしたギャグマンガを読んだような気分。
みんなにも読んでほしい一作。


■■■■■■■■少々ネタバレトーク■■■■■■■■


これなら、リドルが変身した姿とか、
実は自分が死んでるのに気づいてない、とかの方が納得いきました（笑）
ところで、赤い右手って何のこと？
あと、バナナはギャグ？

他の方の感想
qwer78さん。