E PLURIBUS UNICORN

一角獣・多角獣 (異色作家短篇集)

一角獣・多角獣 (異色作家短篇集)

『一角獣・多角獣』シオドア・スタージョン早川書房 異色作家短編集〉読了
その筋では(嫌な筋だな……)知らぬ者のいない、
レア本中のレア本、『一角獣・多角獣』がついに復刊!
俄かに起こった最近のスタージョンブームで、被ってる作品も少なくないけど、
やはり、この復刊は事件。

収録作品
・『一角獣の泉』 The Silken-Swift
・『熊人形』 The Professor's Teddy-Bear
・『ビアンカの手』 Bianca's Hands
・『孤独の円盤』 A Saucer of Loneliness
・『めぐりあい』 It Wasn't Syzygy
・『ふわふわちゃん』 Fluffy
・『反対側のセックス』 The Sex Opposite
・『死ね、名演奏家、死ね』 Die,Maestro,Die
・『監房ともだち』 Cellmate
・『考え方』 A Way of Thinking

先に出た「海を失った男 (晶文社ミステリ)」「不思議のひと触れ (シリーズ 奇想コレクション)」などに収録済みの作品は、
ビアンカの手』『孤独の円盤』『めぐりあい』『死ね、名演奏家、死ね』の4本。
やはり『孤独の円盤』。
これは何度読んでもすばらしい。
ビアンカの手』は、少年サンデーの『あいこら』好きな人は読むべき(笑)
パーツフェチはまずいって。


未読で個人的に面白かったのは、
・『熊人形』
 熊のぬいぐるみと会話する少年。
 彼は、将来自分が大学の講師になっている姿を語るのだが……
 『影よ、影よ、影の国』とイメージが似てるけど、
 腐臭が漂ってくるような、なんとも気持ち悪い話。
・『監房ともだち』
 同じ監房になった男は、手足は細く、胸に大きなこぶがあり、体もあまり強くないらしい。
 しかし、彼は脱獄するという。
 軽犯罪だから、黙っていればすぐ出れるというのに……
 個人的にはかなり好き。
 ヴィジュアルはとある映画と同じだけど、ネタバレになっちゃうので、
 自分の目で確認を。
・『考え方』
 考え方が他人と違うケリー。
 久々に彼と会ったが、弟が病気だという。
 その病状は異様なもので、以前の彼女が呪いをかけているのでは……
 これもラストが気持ち悪い。
 ところで、ルーディの店って何度か出てくるけど、何故? 


でも、一番面白かったのは解説かも。
北原尚彦が書いてる時点で内容は想像できるけど(笑)
ひたすら『一角獣・多角獣』がレアで、復刊されて喜ばしいという話のみ。