596号〈2005年12月号〉

S-Fマガジン 2005年 12月号

S-Fマガジン 2005年 12月号

今月は『ニュー・スペース・オペラ特集』


翻訳作品は論文入れて、3作。


『氷河』……アレステア・レナルズ
 居住可能な惑星を探す連接脳派。
 ガリアナとクラバインが途中立ち寄った氷に覆われた惑星には、すでに基地が存在していた。
 しかし、全員死亡しており、唯一自ら冷凍保存した退院だけが生き残っていた。
 惑星には地中を掘り進めるミミズのような生物しかいない。
 はたして何が起きたのだろうか?
 『火星の長城』の続編。読んだの2年前だから、記憶がおぼろげ。
 ただ、前作の方が面白かったような。
 こういうネタは嫌いじゃないけど、あんまり目新しさも感じないなぁ。
 『啓示空間』と同じ未来史に属している作品。
 インタビュウによると、『啓示空間 (ハヤカワ文庫SF)』の続きも長い模様……
エスケイプ・ルート』……ピーター・F・ハミルトン
 船を貸してくれれば、儲けは山分けするという依頼で、
 ドラドス星系に希少金属を探しに向かったマーカス一行。
 そこには記録上は誰も基地を持っていないはずなのに、それらしき物体が。
 しかし、それは未知のエイリアンの巨大な宇宙船だった!
 すでに難破したらしいが、1万年以上も維持されている。
 調査すると、内部にワームホールが。
 その宇宙船のテクノロジーだけで大儲けできるはずだが、依頼人の動きがどうも怪しい。
 依頼人の真の目的は?
 エイリアンのワームホールの意図は?
 最初の巨大トンネル内の水上都市がかなりそそられる。
『〈特異点〉とは何か?』……ヴァーナー・ヴィンジ
 今までのテクノロジーとはつながりがない、
 テクノロジーの爆発的進歩〈特異点〉を論じた文章。
 ニュー・スペース・オペラは、この〈特異点〉以降の、それが常識となっている世界の物語。


改めて思ったけど、やっぱスペース・オペラはあんまり好きじゃないなぁ。
と言いつつ、『啓示空間』は面白かったし、ヴォルコシガン・サーガは好きなんだけど。
偏狭だけど、スペース・オペラって設定ありき、なジャンルだと思うから、
短篇だと、そこにはまる前に終わっちゃう感じだからかなぁ。


「サはサイエンスのサ」は、人間らしさとは何か? 


「デッド・フューチャーReMIX」はお休み


「SF BOOK SCENE」は世界幻想文学大賞に合わせて、ホラー作品。
あまりそそられるのがなかった。


「MAGAZINE REVIEW」は〈インターゾーン〉誌
『Go Tell the Phoenicians』マシュー・ヒューズ
『Bastogne V.9』クリストファー・イース
『This, My Body』ジェリミア・トルバート
が面白そう。


チャールズ・L・ハーネスが亡くなったそうです。89歳
日本で翻訳されたのは短篇がちょろちょろと、『ウルフヘッド』くらいかぁ。
ご冥福をお祈りします。


映画情報に『奇術師』が。
どうやら本当に撮る模様。来年の1月クランク・イン。
あれをどう映像化するのか、楽しみのような不安なような、だけど、
監督はクリストファー・ノーランなら、ちょっと期待してもいいかも。
魔術師はクリスチャン・ベイルヒュー・ジャックマンだとか。
ウルヴァリンのイメージしかない……